tend Editorial Team

2026.10.16(Fri)

「あなたも8万の新品を着たら?」お下がりを貧乏くさいと笑うママ友。だが、私のバッグを見て態度が一変

「あなたも8万の新品を着たら?」お下がりを貧乏くさいと笑うママ友。だが、私のバッグを見て態度が一変

「あなたも8万の新品を着たら?」お下がりを貧乏くさいと笑うママ友。だが、私のバッグを見て態度が一変

門の外の新品自慢

ママ友は、コートを8万の新品だと自慢しました

ママ友は、コートを8万の新品だと自慢しました

年中の娘を園に送ったあと、門の外で少し立ち話をするのが朝の決まりです。

同じクラスのママ友の一人は、私より2つ年下。夫が会社を経営していて暮らしに困ったことがない、というのが口ぐせです。

10月下旬の肌寒い朝、そのママ友はキャメルのダッフルコートのポケットに両手を入れ、もう一人のママ友に胸を張りました。今日初めて着てきたというコートです。

「先週買った新品。8万。」

もう一人のママ友が、すごいね、と目を丸くします。

ママ友は、おゆずり箱の服は貧乏くさいと笑いました

ママ友は、おゆずり箱の服は貧乏くさいと笑いました

園の玄関には、子ども服だけでなく、保護者の衣類も持ち寄れる『おゆずり箱』があります。着なくなった服を名前を書かずに入れ、必要な人が自由に持ち帰れる仕組みです。その朝も私は、娘の小さくなったトレーナーを入れてきたところでした。

それを見ていたママ友が、私の方へ向き直って笑います。

「お下がりなんか、一枚も着ない。」

うちはね、と付け足し、ママ友はあごを上げました。

「あの箱の服、貧乏くさい。」

色あせたパーカーの私は、新品を着たらと笑われました

色あせたパーカーの私は、新品を着たらと笑われました

ママ友の目が、私の色あせたオリーブのパーカーで止まりました。

「あなたも8万の新品を着たら?」

「見てるこっちが恥ずかしい。」

もう一人のママ友が、口元を手で押さえて小さく笑いました。

貧乏くさいと笑うママ友

言い返せない私は、コートの右ひじも無地かと尋ねました

言い返せない私は、コートの右ひじも無地かと尋ねました

気に入った物を長く着たいだけだと言いかけると、ママ友が声を大きくしてさえぎりました。

「だから貧乏くさいのよ。」

ここで言い返せば、クラスで浮いてしまうかもしれません。私は口を閉じ、うつむきかけました。

そのとき、ママ友のコートのえりが目に入りました。えりの形に、見覚えがあります。色も形も、以前私が持っていたコートによく似ていました。

まさかと思いましたが、どうしても確かめたくなり、私は顔を上げました。

「8万の新品、右ひじも無地?」

ひじに、私のバッグと同じ水玉の継ぎ当てがありました

私のコートなら、右ひじの後ろ側に小さな継ぎ当てがあるはずです。

ママ友は鼻で笑い、くるりと背を向け、右ひじを私の方へ張り出して見せました。

「当たり前でしょ。」

その右ひじの後ろ側に、赤地に白い大きな水玉の布が見えました。すり切れた部分を隠すため、私が手縫いした継ぎ当てです。普段は腕の陰になり、正面からは目立ちにくい位置にあります。

私は毎朝持ち歩いている手作りのトートバッグの持ち手を握り、ママ友のひじの横に並べました。同じ赤に、同じ大きな水玉です。

「バッグの残り布で、私が縫ったの。」

間違いありません。だいぶ前に名前を書かずにおゆずり箱へ入れた、私の古いコートでした。

いつ、誰が持ち帰ったのかは知りませんでした。右ひじの継ぎ当ても、着ている本人からは見えにくい場所です。ママ友は、私が以前着ていたコートだとは思ってもいなかったのでしょう。

おゆずり箱に入れた私のコートだと知られ、ママ友は目を伏せました

おゆずり箱に入れた私のコートだと知られ、ママ友は目を伏せました

「そういうデザインなの!」

「デザインなら、一番に自慢してる。」

何でも自慢するママ友が、たった今、右ひじも無地だと胸を張ったのです。しかも、その継ぎ当ては私が縫ったもの。新品のコートではないことは明らかでした。

もう一人のママ友も、水玉の布と私のバッグを見比べ、黙って彼女の顔を見ました。

ママ友は体を戻し、両手をポケットに押し込みました。先ほどまでの威勢はなく、視線を落としています。

着てくれてうれしい、おゆずり箱はそのための箱だから、と私が言うと、ごめんなさい、と消えそうな声で言い、ママ友はコートのえりにあごをうずめました。


※本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.10.16(Fri)

「玄関に落ちた実くらい、お宅で掃いてよ」隣家の木の実に悩んだ私。足を滑らせた私のお願いを断った隣人が、翌週にとった行動
tend Editorial Team

NEW 2026.10.16(Fri)

「また隣の部屋と間違えました」毎月夜11時にドアノブを回す男性。だが、フロントで知った事実に背筋が凍った
tend Editorial Team

NEW 2026.10.16(Fri)

「もう出ないと遅れちゃう」バッグが見つからず焦る妻。寝室に戻った私が鏡を見て思わず笑った理由
tend Editorial Team

RECOMMEND

2025.12.24(Wed)

「子供は元気が一番」マンションで大騒ぎする子供を放置する親→管理人が冷静に告げた現実とは【短編小説】
tend Editorial Team

2026.06.03(Wed)

国旗損壊罪の自民部会了承で議論白熱!表現の自由との境界線や実効性を巡り岩屋毅前外務大臣の苦言に賛否の声
tend Editorial Team

2026.05.07(Thu)

「彼の言っていることが正しい」「めちゃくちゃ良い子育て出来てる」とSNSでは共感の声。岸谷蘭丸が「都知事になりたい」発言...
tend Editorial Team