
この牛乳、立たないのが当たり前!?給食の三角パック知ってる?
コップに注ごうと持ったら…あれ、立たない!?
それ、“三角形の牛乳パック”です。
今では見かけることが少なくなったこの独特な形、昭和〜平成初期の学校給食ではド定番でした。
でもこれ、なぜこんな不便そうな形をしていたのでしょうか?
実はちゃんとした理由と背景があったんです。
正式名称は「テトラ・クラシック」
三角牛乳パックの正式な呼び名は「テトラ・クラシック」。
スウェーデン発の包装技術で、液体を紙で三角錐状に包むという画期的な構造。
1950年代に日本でも導入され、
1970〜90年代の給食現場では牛乳パック=これ、という認識が広まりました。
どうして“立たない牛乳”が流行ったの?
実は、衛生面とコスト面でとても優れていたからなんです。
・飲み口を開封する際、紙を手で裂くためストロー不要
・材料が少なく、四角パックより安価に製造できる
・折り畳むとぺちゃんこに潰せるため、ゴミもかさばらない
そしてなにより、テトラ・クラシックには機械洗浄が不要。
瓶と違って使い捨てられるので、当時の学校には革命的な存在だったんです。
いつの間にか消えた理由は?
1990年代以降、日本の学校給食では四角型の紙パック牛乳が急速に普及していきました。
その背景には、紙パック製造技術の進化が大きく関係しています。
従来よりも衛生面やコスト面で四角型パックの性能が改善され、テトラ・クラシックの利点が相対的に薄れていったのです。
また、テトラ・クラシックには自立しにくく、注ぎにくいという弱点があり、現場の教員や保護者からも「子どもが扱いにくい」との声が上がるようになりました。
一方で、ストロー付きの四角パックは開けやすく、机の上でも安定して置けるなど、扱いやすさが評価されました。
こうした理由から、次第に学校現場での採用が切り替わり、2012年頃には全国的に三角牛乳パックは姿を消していったとされています。
まとめ|懐かしの“立たない牛乳”、覚えてる?
今の子どもたちはもう見たことがないかもしれません。
でも昭和・平成初期を過ごした人なら、
きっと一度は「机に牛乳こぼした」「開けるの失敗した」経験があるはず。
あの形、あの紙の手触り、あの独特な香り。
全部が“給食の思い出”の一部でした。