マイナカード保有率が8割超え。一方で「任意」との矛盾に懸念も
マイナンバーカードの交付枚数が、ついに1億枚を突破し、日本国内の保有率が8割を超えたと報じられました。2016年の発行開始から約10年を経て、その普及は着実に進んでいます。政府は、健康保険証との一体化をはじめ、行政手続きのデジタル化の「要」として、さらなる利便性向上を目指していますが、この急速な普及の裏側では、国民の間にさまざまな意見が交錯しています。特に、「任意」であるはずのカードが、健康保険証の原則義務化といった形で国民生活に深く関わってくることに対し、SNS上では戸惑いや懸念の声が強く上がっています。
政府は、2024年秋に現在の健康保険証を廃止し、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」へ移行する方針を示しています。この動きが、結果的にカード普及を大きく後押しした形となりました。公的な手続きの簡略化や、医療現場での情報共有の効率化など、デジタル社会の実現に向けたメリットは大きいとされています。しかし、この国のデジタル化推進のスピード感と、それに伴う「事実上の強制力」に対して、国民の感情は複雑です。
マイナンバーカードの取得はあくまで「任意」とされていますが、健康保険証との紐付けや、各種給付金の手続きで事実上、カードが必要となる場面が増えています。この「任意」という建前と、「実質的な義務」へと向かう流れに、多くのユーザーが疑問を投げかけています。
「任意なのに健康保険と紐つけてくるあたりは異常。」
「マイナンバーは強制じゃないって言ってたのに、健康保険証廃止は矛盾している。」
「国が国民の情報を一元管理するメリットは、国民側には感じられない。」
これらのコメントからは、利便性よりも、個人情報の一元管理に対する警戒感や、国と国民の信頼関係に関する懸念が色濃く見て取れます。多くの人は、社会のデジタル化自体には賛成しつつも、その過程での「プライバシー保護」と「選択の自由」が守られるのかという点に、不安を感じています。
政府が目指すのは利便性の高い社会ですが、国民が求めているのは「安心感」です。SNSでの強い反応は、このギャップから生まれていると言えるでしょう。
特に、保険証の紐付けは、全国民にとって影響の大きい話題であるため、「任意」という言葉が持つ重みが薄れていくことへの危機感が、ユーザーの感情を揺らしているのです。














