日常を壊したのは
穏やかな日常が一変したのは、背後からの凄まじい衝撃でした。
「えっ!?」
鈍い音と共に、私の体は宙を舞い、アスファルトに叩きつけられます。
自転車に後ろから追突されたのだと理解するまで、数秒。
激痛でうずくまる私の元へ、ぶつかった方が近寄ってきました。
「あーあ、大丈夫?ごめんねー」
その声を聞いて、耳を疑いました。
申し訳なさそうな様子は一切なく、顔には場違いなヘラヘラとした笑み。
まるで「ちょっと運が悪かったね」とでも言いたげな、あまりに軽い態度です。
病院へ運ばれ、診断を待つ間も怒りと悲しみで震えが止まりません。
看護師さんの「これは立派な事故。警察を呼びましょう」という言葉に背中を押され、お巡りさんに来てもらうことになりました。
病院のロビーで始まった事情聴取。
ぶつかった方の身勝手な主張
そこでもぶつかった方の身勝手な主張は止まりません。
「お巡りさん、分かってますよね?自転車同士の事故で『10対0』なんてあり得ないって。ちょっと後ろからすり抜けようとしただけだし、お互い様っていうか……ねえ?」
彼は同意を求めるように、お巡りさんの顔を覗き込みました。
被害者である私の存在を無視し、責任をうやむやにしようとするその卑怯な言葉。
悔しさで視界がにじみそうになった、その時です。
「いいえ。被害者の方に過失は一切ありません!」
お巡りさんの鋭い声が、ロビーに響き渡りました。
「えっ、でも……普通は……」
「普通も何もありません。前を走る方を後ろから跳ね飛ばしておいて、何をおっしゃるんですか。あなたに100%、全責任があります!」
一切の隙を与えない、毅然とした断言。
それまで余裕の笑みを浮かべていた加害者の顔が、一瞬で真っ青に引きつっていくのが分かりました。
「ぐっ……。あ、はい……すみません……」
さっきまでの威勢はどこへやら。
お巡りさんの迫力に圧倒され、蚊の鳴くような声でうなだれる加害者の姿に、胸のつかえがスッと消えていくのを感じました。
私の痛みと悔しさを、この上ない言葉で守ってくれたお巡りさん。
その凛々しい後ろ姿に、思わず後光が差す「王子様」を見た瞬間でした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、50代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














