
沈黙を破った視聴率女王の涙。米倉涼子が選んだ再始動の舞台で見えた、かつての強気な姿とは異なる脆さと世間の冷ややかな視線
女優の米倉涼子さんが10日、都内で行われた主演映画の完成披露試写会に登壇しました。麻薬取締法違反容疑での不起訴処分を経て、約8カ月ぶりとなった公の舞台。黒のセットアップにスニーカーという、どこか決意を感じさせる装いで現れた彼女は、騒動には直接触れなかったものの、周囲への深い感謝を口にしました。
かつて視聴率女王として君臨し、何事にも動じない強気なキャラクターが代名詞だった彼女が、この日は一転して震えるような緊張感を漂わせていました。共演者の遠藤憲一さんから「頑張って来たね」と声をかけられ、思わず涙ぐむ姿には、これまでにない人間味が溢れていたと言えるでしょう。しかし、その涙を単なる感動の再会として手放しで受け取って良いのか、世間の視線は複雑に絡み合っています。
昨年から続くイベントの直前欠席やアンバサダー辞退。公式には体調不良とされてきましたが、その裏で家宅捜索という重い事実が進行していたことは、ファンにとっても大きな衝撃でした。不起訴という法的結論は出たものの、一度ついたイメージの払拭は容易ではありません。今回の復帰劇についても、SNSでは安堵の声がある一方で、厳しい指摘が真っ向から対立しています。
『やっぱり米倉さんには華があるし、戻ってきてくれて嬉しい。作品に罪はないはず』
という擁護派がいる一方で、
『不起訴だからといって、家宅捜索までされた事実をなかったことにはできない。美談にするには早すぎるのでは』
という冷静な、あるいは批判的な意見も少なくありません。特に、社会的な責任を重んじる層からは、具体的な説明がないまま感謝の言葉だけで幕を引こうとする姿勢に、強い疑問を呈する反応が目立ちます。
『遠藤憲一さんの優しさには救われるけど、ステージ上での涙に違和感がある。プロなら私生活の混乱を仕事に持ち込むべきではない』
といった厳しい指摘は、彼女が築き上げてきた孤高のキャリアゆえの反動かもしれません。
今回の映画は、異国の地で亡くなった人を家族の元へ送り届けるという、魂を揺さぶる物語です。そんな作品の主演として、彼女自身がどのように己の再生を果たすのか。言葉ではなく、その背中で語るしかないのが役者の宿命です。周囲のサポートを強調した今回の会見は、裏を返せば、一人では立ち上がれなかった彼女の脆さを露呈したとも言えます。
再び失敗しない女優として歩み出すことができるのか。その真価が問われるのは、配信が始まるこれからでしょう。














