「前はもう少し安かったのに」買い物で一人で悩んでいた私。だが、冷蔵庫に貼った一枚の紙で状況が一変
買うものを書いた紙を、冷蔵庫に貼った
ある土曜の朝、私は台所で、今週必要なものを紙に書き出していました。
卵、牛乳、洗剤。
頭の中だけで考えていたときはもっとたくさんある気がしていましたが、並べてみると意外に少なく感じます。
その紙を冷蔵庫の扉に貼り、居間にいた夫と娘に声をかけました。
「必要なもの、先にここへ書こう。卵と牛乳は特売の日に買おうか」
夫は「いいんじゃない」と答え、娘も冷蔵庫の前まで来て紙を眺めていました。
私は少しだけ身構えていました。家族に節約を押しつけているように聞こえたら嫌だと思っていたからです。
けれど、二人の反応は思っていたより普通でした。
そうなるまで、私は買い物のたびに一人で迷っていました。
スーパーで値札を見るたび、「前はもう少し安かったのに」と思います。それでも家に帰れば、その話をすることはほとんどありませんでした。
家族に余計な心配をさせたくなかったのです。
ただ、振り返ってみると、娘が好きなお菓子を見ても「今日はいい」と言うことが増え、夫も以前ほど帰りに菓子や飲み物を買ってこなくなっていました。
私だけではなく、二人も値段を気にしていたのかもしれません。
その日の夕方、私以外の字が増えていた
夕方、台所へ戻ると、冷蔵庫の紙に書き込みが増えていました。
娘の字で「洗剤」。その下には、夫の字で「味噌」とあります。
私が頼んだわけではありません。
夜になって夫が、冷蔵庫を開けながら言いました。
「味噌、もう少ししかなかったから書いといた」
紙があったから、気づいた人が書く。それだけのことでした。
翌週になると、娘が自分で書いたものを見ながら言いました。
「これ、今週じゃなくてもいいかも」
夫も紙を見て、「これは土曜に買ったほうが安そうだな」と話します。
それまで私は、値段の話をすると家の空気まで重くなるような気がしていました。
でも実際に話してみると、「今日は安かった」「これは来週でいい」と、ごく普通の買い物の相談になっただけでした。
紙は、それからも冷蔵庫に貼っています。
三行しかない週もあれば、家族それぞれの字でいっぱいになる週もあります。
値段が上がったこと自体は変わりません。それでも、「今週はどうする?」と家族で話せるようになってから、私一人で買い物のたびに悩むことは減りました。
今週の紙のいちばん上にも、娘の字で「卵」と書かれています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














