tend Editorial Team

2026.09.26(Sat)

「札、次に回しておくよ」掃除当番の札を戻したご近所さんに、管理人さんが伝えた一言

「札、次に回しておくよ」掃除当番の札を戻したご近所さんに、管理人さんが伝えた一言

2週続けて入っていた掃除当番の札

去年、近所の十数軒で使っているゴミ置き場の清掃当番の札が、2週続けてうちのポストに入っていたことがある。

当番の家は土曜の朝にネットを畳んで床を掃き、終わったら札を次の家へ回す決まりだった。

最初の土曜、僕がほうきで床を掃いていると、斜め向かいに住む60代くらいの男性がやってきた。前の週に当番だった人だ。

「いやあ、助かるよ」

男性は笑いながらそう言った。掃除が終わるころには、「札、次に回しておくよ」と言って持って帰った。

ところが翌週の土曜、また同じ札がうちのポストに入っていた。

少し引っかかりながらも掃除をしていると、男性がまた顔を出した。

「悪いね」

 

僕は思わず手を止めたが、その場では何も言えなかった。

悪びれた様子もなく笑っている男性を前に、どう返せばいいのかわからなかったのだ。

掃除を終えてから、ゴミ置き場の横にある掲示板の順番表を確認した。

うちの名前があるのは先週の欄だった。今週は別のお宅の番で、翌週は二軒先のお宅になっている。

僕は念のため、順番表を携帯で撮っておいた。

管理人さんと確認した順番表

その日の午後、ゴミ置き場のネットを直しに来た管理人さんに声をかけた。

「すみません。当番の札なんですけど、2週続けてうちに入っていたんです」

事情を話すと、管理人さんは掲示板の順番表を確認した。

「これは、順番どおりじゃないですね」

僕は男性が2週とも「助かると思って」と言っていたことや、先週は札を自分で次へ回すと言って持って帰ったことも伝えた。

管理人さんは少し考えてから、「一度、こちらからも確認しましょう」と言い、僕と一緒に男性の家へ向かった。

玄関先に出てきた男性は、僕たちを見ると少し驚いた顔をした。

「どうしたの、二人そろって」

僕は携帯に残していた順番表の写真を見せた。

「うちの当番は先週でした。今週は別のお宅になっています。うちの番が来たときは、もちろんやりますけど……」

男性は画面を見たまま黙った。

すると管理人さんが、穏やかな口調で続けた。

「当番は、この順番表どおりにお願いします。どのお宅も同じ条件ですから」

「……そうだったね」

男性はそれだけ言うと、札を受け取った。

その夕方、札は順番表どおり、翌週の当番になっている二軒先のお宅へ回されていた。

それからは札がうちに続けて入ることはなくなった。ゴミ置き場で男性と顔を合わせても、今では普通に挨拶を交わしている。

当番そのものは大した作業ではない。それでも、誰かの判断で順番を変えられるのは違う。管理人さんと一緒に確認できたことで、その後は気持ちよく当番を続けられるようになった。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.10.05(Mon)

「えー、かわいい!これ着る!」買い物に失敗したと思った母。数年後、娘を見て笑った理由
tend Editorial Team

NEW 2026.10.05(Mon)

「昨日のは、なんていう曲?」隣のお風呂の歌声を気にしていた私。だが、ママ友の一言で固まった理由
tend Editorial Team

NEW 2026.10.05(Mon)

「Mなら余裕だよ」とサイズ表を見なかった私。だが、届いたジャケットを長男が着て分かった勘違い
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.09.22(Tue)

「また最初から説明するのか?」2日続けて怒って電話してきた男性。店舗へ引き継いだ3週間後、私に届いた手紙
tend Editorial Team

2026.06.07(Sun)

「疲れたから無理」育休中なのにスマホゲームばかりする夫。だが、産科医の一喝で態度が一変
tend Editorial Team

2026.07.28(Tue)

「印鑑を貸して、すぐ返すから」米や醤油を借りに来る近隣の住人。だが、行き過ぎた要求に思わず絶句
tend Editorial Team