「私だけが気にしすぎなのかと思ってました」夜10時過ぎの騒音に半年悩んだ私。廊下に出ると隣人も立っていた
気にしすぎだと自分に言い聞かせていた
夜10時を過ぎると、天井の上からゴウンと洗濯機が回るような音が聞こえてくることがありました。
それが止むと、今度は家具か何かを床に引きずるような音が続きます。
多い週は3回、少ない週でも2回ほど。集合住宅なのだから多少の生活音は仕方がない。気にしすぎる私のほうが神経質なのかもしれないと、音がするたびに自分に言い聞かせていました。
それでも眠れない夜は、枕元のメモ帳に日付と時刻を書きました。誰かに見せようと思っていたわけではありません。ただ記録しておくと、少し気持ちが落ち着いたのです。
寝不足のまま出勤する朝も増え、昼休みに机でうとうとしてしまうこともありました。家にいるのに気持ちが休まらない。そんな状態が半年ほど続いていました。
廊下に出ると、隣の奥さんも立っていた
ある晩、いつもよりずっと大きな音が天井から響きました。思わず玄関のドアを開けると、隣の部屋の前に40代くらいの奥さんが部屋着のまま立っていました。
「あ……今の、聞こえました?」
私が声をかけると、奥さんもすぐにうなずきました。
「聞こえました。うちもよく聞こえてます」
「やっぱり……。私だけが気にしすぎなのかと思ってました」
すると奥さんは驚いたように私を見ました。
「私もです」
奥さんはいったん部屋へ戻り、一冊のノートを持ってきました。開いて見せてもらうと、私のメモ帳と同じ日付がいくつも並んでいます。
「これ、2人で持っていきませんか」
翌日、私たちは一緒に管理会社へ相談に行きました。担当の男性は、ノートとメモ帳を見比べながら話を聞いてくれました。
「かなり前から続いていたんですね。もっと早く相談してもよかったんですよ」
「多い週だと3回くらいあって……。でも、生活音なら仕方ないのかなと思ってました」
「それが何か月も続いていたんです」
隣の奥さんもそう付け加えると、担当者はうなずき、上の階の住人に状況を確認すると話してくれました。
「そこまで響いてるとは気づきませんでした」
数日後、たまたま廊下に出たとき、階段の上から担当者と男性が話す声が聞こえてきました。
担当者は、夜遅い時間の洗濯機や家具を動かすような音が下の部屋まで響いていること、夜10時を過ぎてからは少し配慮してほしいことを、責めるような口調ではなく落ち着いて伝えていました。
返事をしたのは、30代くらいの男性でした。
「夜勤があって生活時間がずれていて……。そこまで響いてるとは気づきませんでした」
その日の夕方、階段ですれ違った男性は、私を見ると足を止め、黙って深く頭を下げました。後ろから来た隣の奥さんと私は顔を見合わせ、こちらも会釈を返しました。
その週から、夜の大きな音は聞こえなくなりました。
今では廊下で奥さんと会うと、自然に挨拶を交わします。
「最近、静かですね」
「ほんとに。一人でずっと我慢しなくてよかったです」
自分だけが気にしていると思っていたからこそ、なかなか相談できませんでした。同じように困っている人がいたと分かったことで、ようやく声を上げることができた出来事です。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














