tend Editorial Team

2026.10.11(Sun)

「愛の力で明日10時の商談も頼むぞ」妻への連絡を職場の15人のグループに誤送信した僕に、上司から届いた返信

「愛の力で明日10時の商談も頼むぞ」妻への連絡を職場の15人のグループに誤送信した僕に、上司から届いた返信

商談前夜、妻に送ったはずのメッセージ

翌朝10時に大事な商談を控えた日のことです。

僕は朝から資料作りに追われ、時計が22時を回ってようやく最後の1枚を仕上げました。

周りには、まだ残業している同僚が数人。疲れて椅子にもたれたとき、同じ会社の別の部署で働く妻のことが頭に浮かびました。

妻も僕と同じくらい残業が多く、毎日忙しくしています。

こんな日くらい、ねぎらいの言葉を送ろうと思い、社内チャットを開きました。

「いつもお疲れ様。帰りに奮発して、おいしいものを買って帰ろう。愛をこめて」

最後の「愛をこめて」は少し照れくさい気もしましたが、相手は妻です。

まあ、いいかと思って送信しました。

コーヒーをひと口飲み、明日の商談の段取りを考えていた、そのときです。

宛先に表示されていたのは15人のグループ

ふと画面を見直した瞬間、手が止まりました。

宛先が妻の名前ではなく、15人のチームが連絡に使っているグループになっていたのです。

「えっ、うそだろ…」

慌てて送信の取り消しを探しましたが、その間にも既読の数字が増えていきます。

近くの席から、笑いをこらえるような声が聞こえてきました。もう誰かに読まれているのは間違いありません。

顔が熱くなり、画面から目を離せずにいると、5分ほどして後輩から返信が届きました。

「僕の分も、おいしいものお願いします(笑)」

「いや、勘弁してくれよ…」

思わずつぶやいた直後、今度は1時間ほど前に帰った上司からも通知が届きました。

「愛の力で明日10時の商談も頼むぞ」

その返信を見た瞬間、隣の同僚が吹き出しました。

残っていた同僚たちも、とうとう笑いをこらえきれなくなったようです。

「明日の商談、期待されちゃいましたね」

「頼むから、もう忘れてくれ…」

「いや、それは無理ですよ」

僕は返す言葉もなく、机に顔を伏せました。

朝から苦労して作った資料より、妻へのたった一文のほうが注目を集めるなんて、思いもしませんでした。

翌日の商談後、上司がまた口にした言葉

翌朝10時の商談は、思いのほかうまくまとまりました。

商談を終えた帰り道、隣を歩いていた上司が、ふいに口を開きました。

「効いたな、愛の力」

「まだ言うんですか……」

上司は楽しそうに笑っています。どうやら、しばらく忘れてもらえそうにありません。

会社に戻ると、廊下で妻とばったり会いました。

妻は僕を見るなり、あきれたように笑いました。

「聞いたよ。私には届いてないけどね」

「送り先を間違えただけで、気持ちは本当だから」

「じゃあ、おいしいものは今日に持ちこしね」

その夜、僕は約束どおり、妻の好きな総菜を買って帰りました。

それ以来、チームで残業が続くと、誰かが決まって僕の席を振り返って言います。

「そろそろ、愛の力が必要ですね」

あの一件以来、僕にとっては残業以上に、みんなからのこの一言が恥ずかしいのです。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

RANKING

OTHER ARTICLES

NEW 2026.10.11(Sun)

「名刺の出し方なら、鏡の前で100回練習しました」自信満々の営業新人。だが、初訪問の取引先で差し出した最悪な一枚
tend Editorial Team

NEW 2026.10.11(Sun)

「水くさいな、5万円くらい兄貴が払えよ」支払いが終わるころに席へ戻る叔父が、自分の前の伝票に固まった瞬間
tend Editorial Team

NEW 2026.10.11(Sun)

「私が先なんだから!」サラダバーの通路をふさいで動かない女性客。だが、店長が後ろの4人を見て伝えた一言
tend Editorial Team

RECOMMEND

2026.06.24(Wed)

北朝鮮の金正恩総書記が日本の防衛力強化を非難、核戦力強化を唯一の道と主張する姿勢に批判の嵐
tend Editorial Team

2026.04.03(Fri)

石丸伸二氏が創設した『再生の道』事務局長が党から離脱、吉田綾氏らメンバーも続々と離党
tend Editorial Team

2026.08.07(Fri)

「玄関の音でわかるの」出入りのたびに顔を出す隣人。だが、戸惑った私が管理会社に相談した結果
tend Editorial Team