「レジも満足に打てないのか、なんだその目は」お釣りの計算を確認した私を怒鳴る男性。だが、常連客の一言で救われた
レジでの小さなミスを責める男性
私は書店で働いています。店にはレジが1台しかなく、その日の夕方も私ひとりで会計を担当していました。
50代くらいの男性が本を1冊持ってきたときのことです。
男性からお金を受け取り、レジに金額を入力したところ、預かった金額を間違えて打ってしまいました。
すぐに間違いに気づいた私は、レジの横にあった電卓で正しいお釣りを計算しました。
「すみません。金額を打ち間違えてしまいました。お釣りはこちらになります」
私は確認してもらえるように電卓の画面を見せ、お釣りをトレーに置きました。
すると、男性は電卓を見るなり、不機嫌そうな顔になりました。
「はあ? こんな引き算に電卓がいるのかよ」
「いえ、金額を確認していただこうと思って…」
「そんなのいいから、そもそも間違えるなよ」
私は驚いて、言葉に詰まってしまいました。
すると男性は、さらに声を荒らげたのです。
「レジも満足に打てないのか、なんだその目は」
男性はレジ越しに身を乗り出し、私を指さしました。
大きな声が店内に響き、雑誌を立ち読みしていたお客様も顔を上げました。
確かに、打ち間違えたのは私です。
しかし、きちんと謝って確認もしたのに、ここまで怒られるとは思いませんでした。
怖くなった私は、うつむいて謝ることしかできませんでした。
「……申し訳ありません」
後ろに並んでいた常連さんの一言
そのとき、男性の後ろから女性の声が聞こえました。
「あの、ちょっといいですか」
声をかけたのは、週に何度も来店してくれる年配の常連さんでした。
女性は本を抱えたまま、男性に話しかけました。
「店員さん、間違えたことを謝って、ちゃんとお釣りも確認してくれたじゃないですか」
男性は振り向きましたが、何も答えません。
「誰だって間違えることはありますよ。そんなに怒鳴らなくてもいいでしょう」
女性は落ち着いた声で続けました。
「私はいつもこちらで本を買っていますけど、この店員さん、丁寧に対応してくださいますよ」
その言葉を聞いた男性は、何か言い返そうとしたようでしたが、結局何も言いませんでした。
そして、本とお釣りを手に取ると、黙って店を出ていきました。
男性がいなくなると、女性は私に向かって優しく笑いました。
「大丈夫?怖かったでしょう」
「はい……。ありがとうございます」
「気にしなくていいのよ。じゃあ、私のお会計もお願いね」
「はい。お待たせしました」
いつものように本を差し出してくれた女性を見て、私もようやく笑顔になれました。
あの日からも、レジで間違えたときは正直に謝り、金額をきちんと確認するようにしています。
あの常連さんがかけてくれた言葉は、今でも忘れられません。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














