「聞こえるほうが気にしすぎなんじゃないですか」夜中の騒音を訴えた私を相手にしなかった隣人が、貼り紙を見て黙った理由
深夜1時すぎ、隣の部屋から響く音楽
私が1人暮らしをしているアパートに、20代前半くらいの男性が越してきたのは、3年ほど前のことです。
最初は特に気になることもありませんでした。
しかし、しばらくすると、隣の部屋から夜中に大きな音楽や笑い声が聞こえるようになったのです。
時間は決まって深夜1時すぎ。週に3回ほど続き、耳栓をしても低い音が壁越しに響いてきます。
翌日も仕事があるのに、なかなか眠れません。
寝不足のせいで、職場で書類の日付を間違えてしまったこともありました。
そんなある朝、外廊下で鍵を閉めていると、隣の男性が部屋から出てきました。
何度も迷っていましたが、このままではつらいと思い、声をかけました。
「おはようございます。あの、夜中の音楽なんですけど……もう少し音を小さくしてもらえませんか?」
すると男性は、面倒そうな顔でこちらを見ました。
「え?そんなにうるさいですか?気にしすぎじゃないですか」
「でも、夜中の1時を過ぎても聞こえていて…」
「聞こえるほうが気にしすぎなんじゃないですか」
男性はそう言うと、それ以上話を聞かずに私の横を通り過ぎていきました。
その夜も、深夜1時すぎになると音楽が響いてきました。
もう一度直接注意する勇気はなく、私は管理会社に相談することにしました。
数日後、管理会社は夜間の音楽や話し声について、建物全体に向けた注意文を外廊下の掲示板に貼り出し、同じ内容の紙を各部屋の郵便受けにも入れてくれました。
「証拠を見せろよ」掲示板の前で怒る隣人
その翌日の夕方、仕事から帰ってくると、掲示板の前に隣の男性が立っていました。
私が通りかかると、男性は突然こちらを向き、強い口調で言いました。
「誰が言ったか知らないけど、証拠を見せろよ」
以前、私が音楽について声をかけたことを覚えていたのでしょうか。
突然の言葉に驚きながらも、私は答えました。
「…これは、全部の部屋に配られたお知らせですよ」
「じゃあ、俺のことだって決めつけないでくださいよ。こっちは何も悪いことしてないんで」
私は少し迷いましたが、困っていることだけは伝えようと思いました。
「決めつけたいわけじゃないんです。ただ、週に3回くらい、夜中の1時すぎに音楽が聞こえて、眠れなくて困っているんです」
男性が何か言い返そうとした、そのときでした。
廊下の奥でドアが開き、同じ階に住む女性が顔を出したのです。
「あの、うちもですよ。夜中の1時すぎに、毎回起こされてるんです」
男性は女性のほうを振り向きました。
「いや、あなたには関係ないでしょ」
「関係ありますよ。うちにも聞こえてるんですから」
女性はドアに手をかけたまま、落ち着いた声で返しました。
男性は不満そうな表情を浮かべていましたが、私はそれ以上言い争うつもりはありませんでした。
「とにかく、このお知らせを読んでもらえませんか」
そう言って、掲示板の貼り紙を指さしました。
注意文のいちばん下には、こう書かれていました。
「改善が見られない場合は契約にもとづき対応いたします」
男性はその1行に目を落とすと、しばらく黙っていました。
さっきまで大きな声で反論していたのに、今度は何も言い返してきません。
やがて男性は、無言のまま自分の部屋へ戻っていきました。ドアが大きな音を立てて閉まります。
その夜、深夜1時を過ぎても、いつもの大きな音楽は聞こえてきませんでした。
翌朝、出勤しようと外廊下で鍵を閉めていると、隣のドアが少し開きました。
男性と目が合いましたが、何も言われないままドアは閉まりました。
たった一晩静かになっただけで、すべて解決したとは言えません。
それでも、何度言っても伝わらなかったことが、管理会社の注意文を通してようやく届いたように感じました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














