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2026.10.09(Fri)

「山の温泉って、海も見えるんだっけ?」家族旅行で案内役を任された私。だが、車窓いっぱいの海を見て固まった瞬間

「山の温泉って、海も見えるんだっけ?」家族旅行で案内役を任された私。だが、車窓いっぱいの海を見て固まった瞬間

乗りかえを任された家族旅行

去年、両親と弟と4人で、山あいの温泉へ旅行したときのことです。

家族そろって遠出をするのは久しぶりで、電車の時刻や乗りかえを調べる役は、私が自分から引き受けました。

前の晩には、乗る予定の電車を1本ずつ手帳に書き出して準備も万全。

当日の朝も、駅では私が先頭を歩きました。

「こっちだよ。はぐれないでね」

「ずいぶん張り切ってるなあ」

父が笑います。私は手帳を確認しながら家族を連れてホームへ向かいました。

ホームに着くと、向かい側にはすでに電車が停まっていました。

私はそれを自分たちが乗る電車だと思い込み、行き先をきちんと確認しないまま家族を連れて乗り込みました。

4人で向かい合う席に座ると、窓側の母が外を眺め、父は早くも眠そうな顔をしています。

私は手帳と時計を見比べ、自信たっぷりに言いました。

「山の駅まであと30分だよ」

「頼りになるわね」

母にそう言われ、私はすっかり安心していました。

山へ向かうはずなのに、窓の外には海

しばらくすると、母がおせんべいを配り始めました。

父は腕を組んだまま目を閉じ、私は向かいに座る弟と、旅館の夕食に出るという川魚の塩焼きの話をしていました。

「その話、もう3回聞いたよ」

「じゃあ、これで最後にする」

そう笑っていると、それまで窓の外を見ていた母が、ふと首をかしげました。

「ねえ…この景色で合ってる?」

「え?もうすぐ山のほうに入るはずだけど」

私は何気なく窓の外を見ました。

その瞬間、言葉が止まりました。

山へ向かっているはずなのに、車窓いっぱいに広がっていたのは青い海。

波が日の光を受けて、きらきらと輝いています。

「…海?」

慌てて車内の案内を確認して、ようやく気づきました。

私たちが乗ったのは、目的地とは反対方向へ向かう電車だったのです。

ホームに着いたとき、向かい側に停まっていた電車を自分たちが乗るものだと思い込み、行き先を確認せず乗ってしまっていました。

弟が窓の外を指さしながら笑いました。

「山の温泉って、海も見えるんだっけ?」

「……ごめん。完全に間違えた」

父も目を開けて海を確認すると、苦笑いするだけでした。

次の駅で降り、反対方向の電車に乗り直すことに。

待っているあいだ、母は笑いながら私の肩を軽くたたきました。

「次は、乗る前に行き先までちゃんと見ようね」

「はい……」

結局、旅館には予定より1時間遅れて到着しました。

夕食の席で、母は川魚の塩焼きをほぐしながら言いました。

「まあ、海も見られたんだから、得したと思おうか」

家族が笑うなか、私はもう一度「ごめん」と頭を下げました。

それ以来、電車に乗るときは、時刻だけでなく行き先の表示まで必ず確認するようになりました。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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