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2026.07.19(Sun)

「くだらない、暇な人しか見ないだろ」テレビで笑っていた食卓を一瞬で凍らせた夫。だが、家族が離れて気づいたのは

「くだらない、暇な人しか見ないだろ」テレビで笑っていた食卓を一瞬で凍らせた夫。だが、家族が離れて気づいたのは

一瞬で凍った食卓

子ども3人と食後にテレビの話で盛り上がるのが、わが家の恒例だった。皿を下げるのも忘れて、みんなでげらげら笑っている。

その夜も、食卓は賑やかだった。

「あの人、毎回同じところで転ぶよね」

中学生の娘がスマホを置いて笑い、小学生の息子が椅子の上で身をよじる。いちばん上の子まで、珍しく声を上げて笑っていた。

その輪の外から、夫が画面を見て言い放った。

「くだらない、暇な人しか見ないだろ」

笑い声が、途中で止まった。

それでも、末っ子はまだ諦めていなかった。父親の腕を引いて、画面の方へ向けようとする。

「これ面白いんだって。ちょっとだけ見て」

「そんなもん見て頭が良くなるのか?」

一瞬で、食卓が凍りついた。

誰も何も言わない。テレビの音だけが、空っぽの部屋みたいに響いていた。息子の手が、そっと夫の腕から離れる。

「……宿題、やってくる」

ひとり立ち、ふたり立ち。娘は風呂へ、上の子は自室へ。三人とも、あっという間に別室へ消えていった。私は残った皿を重ねて、台所へ引き上げた。

残されたのは夫だけ

食卓に残ったのは、夫ひとりだった。

スマホを片手に、誰も見ていないテレビの前で、動く気配もなく座っている。さっきまであんなに楽しかった部屋が、まるで待合室のようになっていた。

それから、家族の動線が変わった。

夫が居間にいる時間、子どもたちは降りてこない。麦茶を取りに来ても、コップを持ってすぐ自分の部屋へ戻る。夕食の会話も、夫が箸を置いた後にようやく始まるようになった。

半月ほど過ぎた夜、夫が落ち着かない様子で切り出した。

「なあ、最近この家、静かじゃないか」

そうだね、とだけ返す。

「みんな、俺のこと避けてるだろ」

私は洗い物の手を止め、振り返って言った。

「笑ってるところに来て、悪く言われたら、誰でも逃げるよ」

夫の顔から、みるみる血の気が引いた。

「そんな、大げさな」

「じゃあ聞くけど、あの子が腕を引いた時、なんて返した?」

言い返そうとして、夫は言葉に詰まった。しばらく口を動かしていたが、結局何も出てこないまま、うつむいて黙り込んだ。

次の週末、居間に子どもたちの笑い声が戻ってきた。

足音に気づいて、末っ子がびくりと肩を上げる。けれど夫は、黙って部屋の隅に座っただけだった。テレビの中でまた誰かが転ぶ。

「……今の、痛そうだな」

ぼそりとした感想に、息子が驚いた顔で振り向いた。

「でしょ?毎回そうなんだよ」

あの夜、家族全員に背を向けられて、この人はやっと学んだらしい。人を馬鹿にする言葉は、いちばん先に自分の居場所を削るのだと。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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