「猫は外に出さないと可哀想」と主張する夫。だが、妻の一言で態度が一変
「外に出さないと可哀想」が口癖の夫
猫を飼い始めて一年、私と夫の間には小さな溝ができていた。原因は、猫を外に出すか出さないか。ただそれだけのことだった。
「猫は外に出さないと可哀想」
それが夫の口癖だった。自然の多い土地で育った夫にとって、猫が自由に外を歩くのは当たり前の光景だったらしい。私が留守のあいだに、夫はよく猫を庭へ出していた。
そんなある日、近所の方が困った顔で訪ねてきた。
「お宅の猫ちゃん、うちの花壇を掘り返しちゃって……」
頭を下げて謝りながら、私は胸の奥が冷たくなった。このままでは、この子が誰かに嫌われてしまう。
その夜、私は思い切って夫に相談した。
「外に出すの、もうやめない?ご近所にも謝ったんだよ」
「大げさだなあ。猫なんて、どこの家も外に出してるだろ」
夫はまるで取り合ってくれない。私が何を言っても、外の方が幸せに決まっている、の一点張りだった。
動物病院で告げられた事実
数日後、猫が餌をあまり食べなくなり、動物病院へ連れて行った。獣医の言葉は、私の不安をそのまま突いてきた。
「外に出ている猫は、感染症をもらうことが多いんです」
外を歩く猫は他の猫との接触で病気をもらいやすく、事故に遭う危険も高い。室内だけで飼う猫と比べて、寿命が大きく縮むこともあると聞かされた。
幸い今回は軽い体調不良で済んだが、背筋が寒くなった。
家に帰って、私はその話をそのまま夫に伝えた。
「病気になってもいいの?」
夫は「そんな大げさな」と笑おうとして、途中で表情を固めた。獣医から聞いた話を一つずつ並べていくと、夫の顔から笑みが消えていった。
「事故も、病気も、ご近所とのトラブルも、外に出せば全部この子が背負うんだよ」
「自由に見えて、その分だけ危険にさらしてるってこと?」
「守れるのは、私たちしかいないの」
夫は何か言いかけて、そのまま黙り込んでしまった。膝の上で丸くなる猫を、いつまでも見つめていた。
夫が変わった朝
翌朝、夫は自分からスマホであれこれ調べていた。室内で猫を飼うメリットを、いくつも読み上げてくる。
「知らなかっただけなんだな、俺」
その一言に、私は驚いて顔を上げた。
「ごめん。可哀想なのは、外に出さないことじゃなかったんだな」
それから夫は、猫が退屈しないよう部屋に上下運動のできる場所を作り、窓際にお気に入りの居場所をこしらえた。もう「外に出そう」とは言わない。危険から守ることこそ本当の優しさだと、二人でようやく同じ答えにたどり着いた朝だった。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














