「食器も洗ったし完璧だろ」満足そうに言う夫。だが、妻の一言で態度が変わったワケ
「完璧」と胸を張る新婚夫
結婚して半年、我が家の家事は夫婦で分けているつもりだった。夫は食器洗いとゴミ出しを担当し、自分では十分にやっていると思っている。
たとえば朝、私が洗面所でシャンプーを詰め替えているときも、夫は「準備できたよ」と歯を磨いているだけ。
トイレットペーパーの芯を替えるのも、排水口のぬめりを取るのも、気づけば全部私の仕事になっていた。
夕食を終えた晩のこと。夫はシンクいっぱいの食器を洗い終えると、満足そうに手を拭きながら言った。
「食器も洗ったし完璧だろ」
その「完璧」という言葉が、妙に引っかかった。食器を洗った、その裏でどれだけの家事が回っているか、彼はきっと知らない。
私は排水口に溜まった生ゴミのネットを取り替えながら、静かに尋ねた。
「洗剤の詰め替えは?」
夫は一瞬きょとんとして答えた。
「詰め替え?そんなの、なくなったら誰かがやってるだろ」
誰か、ではない。全部、私だ。
見えなかった家事の正体
私は洗剤のボトルを持ち上げて見せた。中身はもう、ほとんど空だった。
「この詰め替え、あなたがやったこと一度でもある?排水口のネット交換は?トイレットペーパーの補充は?」
問いを重ねるたびに、夫の顔から自信が消えていった。
「やってないけど…」
「食器を洗えるのは、洗剤が補充されてるから。ゴミを出せるのは、袋がセットされてるから。あなたが『完璧』にやってる家事は、その最後のひとかけらだけだよ」
夫は口を開いたまま、言葉を探すように視線を泳がせた。それから空っぽの洗剤ボトルと、詰まりかけた排水口を交互に見て、ばつが悪そうに黙り込んだ。
「…俺、洗い物さえすれば家事した気になってた」
その声は、さっきまでの得意げな響きが嘘のように、しぼんでいた。
翌日から、夫は少しずつ動くようになった。洗剤が減れば自分で詰め替え、排水口のネットも黙って交換する。
数日後、私が仕事から戻ると、洗面所の詰め替えボトルが新しくなっていた。排水口のネットも、きれいなものに替わっている。夫は照れくさそうに、「気づいたからやっといた」と言った。以前なら、絶対に出てこなかった一言だった。
「これ、やってみると本当に細かいな」
そうこぼす夫に、私は思わず笑ってしまった。
「それが名もなき家事。ずっと、見えないところにあったんだよ」
見えなかった家事に光が当たった日から、我が家の分担は、ようやく釣り合いが取れ始めた。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














