「眼鏡、弁償するよ」誠実に謝る側を無視し続けたママ友。だが、頑固な態度に周囲の全員が呆れ返った
ある日の公園で
その日、公園には顔なじみのママ友が何人か集まっていた。
子どもたちが元気に走り回るなか、一人の男の子が勢いよく別の子にぶつかった。転んだ拍子に、その子の眼鏡が地面に落ちて割れてしまった。
ぶつかった子のお母さんは、血相を変えて飛んできた。優しくて、少し気の弱いところのある人だった。
「ごめんなさい、うちの子が急に走り出して」
そして割れた眼鏡を手に取り、まっすぐ相手に向き合って言った。
「眼鏡、弁償するよ」
その場にいた私たちも、彼女の誠実さに胸をなでおろした。
子ども同士のことだし、これできっと丸くおさまる。誰もがそう思っていた。
ところが、眼鏡の子のお母さんは、まったく違う反応を見せた。
「けっこうです。もう顔も見たくない」
差し出されたお金には見向きもせず、そっぽを向いてしまったのだ。
あまりの態度に、その場が一瞬しんと静まり返った。謝った側のお母さんは、行き場をなくしたように、割れた眼鏡と財布を手にしたまま立ち尽くしていた。
「そこまで言わなくても…」
誰かが小さくつぶやいたけれど、眼鏡の子のお母さんの耳には届いていないようだった。
味方は、誰もいなかった
それきり、眼鏡の子のお母さんは、謝った側を完全に無視し続けた。
あいさつしても知らんぷり。
弁償を申し出るメッセージにも、返事ひとつよこさない。
見かねて何人かが間を取り持とうとしても、まるで聞く耳を持たなかった。
それどころか、ある日、こう言って騒ぎ立てたのだ。
「こんなに嫌な思いさせられたの、みんなに知ってほしい」
自分こそが被害者だと言わんばかりの態度に、その場の空気が一気に冷めていくのがわかった。
あの日、誠実に頭を下げる姿を見ていた全員が、口をつぐんだのだ。
「弁償するって言われて、断ったのはあなたじゃない」
年上のママが、あきれた声でそう言った。
「そこまでされて無視し続けるって、さすがにないよ」
「弁償を断ったうえに無視までして、それはやりすぎだよ」
ほかのママたちも、次々に同じことを口にした。眼鏡の子のお母さんは、言い返そうとしたものの、言葉が続かない。
頬を引きつらせたまま、そそくさとベビーカーを押して帰っていった。もう、彼女に味方する人は、その場に一人もいなかった。
あとに残されたのは、静かな気まずさだけだった。誠実に頭を下げた人ではなく、それを踏みにじった人のほうが、ぽつんと孤立していく。あまりに当然の成り行きに、私は妙にすっきりしていた。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














