「早くしてくださる?30分も待ってるんだけど」返金中も不満を口にする客に、店長が示したレシートの時刻
値札の貼り替え漏れに気づいた私
去年、服の店で働いていたころの話です。
夕方、レジカウンターには私1人。
30代後半の女性の店長は、少し離れた試着室の前でお客様の案内をしていました。
30代くらいの女性客が買ったのは、30%引きのブラウスでした。
会計を終えて商品をたたんでいると、そで口の値札に、前のセールで使っていた「50%引き」のシールが残っていることに気づきました。
「申し訳ございません。古いシールが残ったままでした。差額をお返しいたします」
私がそう伝えると、女性客は大きくため息をつきました。
「最悪。値札くらいちゃんとしといてよ、時間ないんだから」
「申し訳ございません。すぐに返金のお手続きをいたします」
すると女性客は、カウンターに片手をつきながら言いました。
「ミスした時って、何かサービスとかないの?」
私はもう一度謝り、差額を返金すると説明しました。
返金伝票を書き始めると、今度は「待って、その金額で合ってる?」「レシートもう一回見せて」と声をかけられます。
そのたびに確認し直すため、手続きはなかなか進みませんでした。
「ほんと、イライラする」
「10分待った」と言う客に、店長が見せたもの
女性客の後ろには、会計を待つお客様が2人並んでいました。
女性客は後ろをちらりと見ると、レジ台を指でたたきました。
「早くしてくださる?30分も待ってるんだけど」
けれど、会計を終えてからまだ10分もたっていません。私は「申し訳ございません」と答えながら伝票に目を戻しましたが、悔しさで手が震え、ボールペンの線までゆがみました。
そこへ店長が戻ってきて、私の横に立ちました。
「値札の貼り替えができていなかったことは、こちらの不手際です。申し訳ございません」
女性客は腕を組んだまま、「ほんと困るんだけど」と返します。
店長は落ち着いた声で続けました。
「返金のお手続き自体は、スタッフが順番どおり進めております」
そして、カウンターにあったレシートを手に取りました。
「こちらがお会計をした時刻です。今の時刻と比べても、まだ10分はたっておりません」
女性客は一瞬黙り、レシートの時刻に目を落としました。
後ろに並んでいたお客様も何も言わず、そのまま順番を待っています。
私が返金分を渡すと、女性客はそれ以上何も言わずに財布へしまい、そのまま店を出ていきました。
女性客がいなくなってから、店長は私に小さな声で言いました。
「シールに自分で気づいて、すぐに対応できたんだから大丈夫。落ち着いてできてたよ」
その言葉を聞いて、ようやく張りつめていた気持ちが少しほどけました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














