「何も飼ってませんよ」と言い切った隣人。数か月後、逃げたヘビを前に管理会社が伝えた正論
ドアの横に置かれた、生きた虫の箱
以前暮らしていたマンションでの話です。50代の私の隣の部屋に、40代くらいの男性が越してきました。めったに顔を合わせない、静かな人でした。
気になったのは、ときどき届く宅配便です。隣のドアの横に置かれた箱には「虫」と書かれた札が貼られ、そばを通ると中で何かが動く音がしました。
マンションでは、契約で動物を飼うことが禁止されていました。
ある日、通路で男性と顔を合わせたとき、私は思い切って尋ねました。
「すみません。何か飼っていらっしゃるんですか?」
男性は少し表情を曇らせました。
「何も飼ってませんよ。うちのことは放っておいてください」
「そうですか。箱に『虫』と書いてあったので、ちょっと気になって…」
すると男性はドアに手をかけながら、少し強い口調で言いました。
「人の荷物をいちいち見ないでもらえます?」
それ以上聞くことはできませんでした。後になって、同じ階の年配の女性も男性に尋ねたことがあり、似たような返事をされたと聞きました。
夜になって届いた、管理会社からの知らせ
それから数か月後の夜、管理会社から連絡が入りました。
ヘビが建物内に逃げ出したため、見つかるまでは部屋に戻らないように、という内容でした。
駐車場には住人が10人ほど集まりました。私もその中で待っていましたが、なかなか部屋へ戻れるという連絡はありません。
管理会社の40代くらいの男性担当者も来ていて、業者と何度も連絡を取り合っていました。
夜遅くなってようやく、隣の部屋の前の通路でヘビが捕まったと知らされました。
けが人はいませんでした。
ほっとしたのもつかの間、隣の男性が担当者の前に出てきました。
「ヘビ1匹くらい、誰にも迷惑かけてない」
私は思わず男性の顔を見ました。
「もう捕まったんだから、いいでしょう」
その言葉を聞いて、逃げ出したヘビが隣の部屋で飼われていたものだと分かりました。
担当者が伝えた、契約の話
担当者は声を荒らげることなく、男性に答えました。
「このマンションでは、契約上、動物の飼育は禁止されています。今回の件については、契約内容を確認したうえで、明日あらためてお話しさせてください」
男性は黙ったままでした。
少し離れたところにいた年配の女性が、小さな声で言いました。
「何も飼ってない、って言ってたのにね」
私も、数か月前のやり取りを思い出していました。
その後、管理会社と男性の間でどんな話があったのか、私は知りません。ただ、1か月後には隣の部屋は空室になっていました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














