「なるほど、犯人はこっちだったか」家計の出費が増えたと両親を疑った私。だが、明細で見つけた身に覚えのある支払い
座卓に広げた家計簿
私は両親と暮らしていて、家計の管理を任されています。家計簿には、自分が使ったお金も含めて記録しています。
ある月、家計簿を締めると、いつもより出費が増えていました。数字を見た瞬間、思わずため息が出ました。
自分では無駄遣いをしていないつもりだったので、「父か母が何か買ったのかも」と考えてしまったのです。
明細をきちんと確認する前に、週末の夜、居間の座卓に家計簿と明細を広げました。
「ちょっと家族会議をしたいの。今月の出費のことで」
「おや、ずいぶん改まってるな」
父が少し驚いた顔をし、母も座卓のそばに座りました。
私は食費、日用品、外食と、項目ごとに気になる支出がなかったか尋ねました。
「日用品は、まとめて買ったばかりだから当分いらないわよ」
「外食も、最近は行ってないよなあ」
二人とも心当たりはなさそうです。母は湯のみを持ちながら、ふと思い出したように言いました。
「昔はお給料日前になると、みんなでやりくりを考えたものね」
父も笑っています。でも、私はまだ納得できませんでした。父は趣味の道具をよく眺めていますし、母は通販のカタログに付箋を貼っていたからです。
明細に並んでいたもの
「通販で、なにか頼んだりしてない?」
「頼んでないわよ。見てるだけでも楽しいの」
母はあっさり答え、父もうなずきました。
だったら明細を見れば分かるはず。私は紙を手に取り、上から一行ずつ確認し始めました。
すると、同じコンビニでの支払いが何度も出てきます。毎朝、通勤のときに私が買っているコーヒーでした。
さらに、その下には動画配信サービスの月額料金が。
最近はまったく見ていないのに、解約せずにいたものです。
「……あれ。これ、私の支払いだ」
思わず声に出すと、両親も明細をのぞきこみました。
「なるほど、犯人はこっちだったか」
父は吹き出し、母も笑います。
「毎朝のコーヒー、おいしいものねえ」
顔がかっと熱くなりました。父と母の買い物ばかり気にして、自分の支出を見直していなかったのです。コーヒー一杯ずつは小さな額でも、毎日となると無視できません。
そんな私の肩を、父がぽんとたたきました。
「続けられる方法を考えよう」
責めるでもなく、笑いながら言ってくれたことに、少し救われました。
その夜、私は動画配信サービスを解約しました。翌朝は台所でコーヒーを入れ、水筒に詰めて家を出ました。
いつものコンビニの前で、足が一瞬止まります。店から漂うコーヒーの香りに心が揺れましたが、水筒を握り直して通り過ぎました。
無理に全部をやめるのではなく、できるところから変えていこう。父の言葉を思い出しながら、そう決めました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














