「夜景なんか撮って、急に気取ってるな」友人だと思って送ったコメント。翌朝、届いた丁寧すぎる返信の理由
飲み友だちに送ったつもりの冗談
50代の私には、学生時代から付き合いのある飲み友だちが2人います。
3人とも写真を投稿するサービスを使っていて、お互いの投稿にふざけたコメントを付け合うのがお決まりでした。
ある夜、居間のソファで携帯電話を眺めていると、港の夜景を撮った写真が目に入りました。
投稿者の名前は、飲み友だちの1人によく似ています。その友人は夜景を撮るのが好きで、普段から似たような写真を投稿していました。
私はすっかり本人だと思い込み、仲間内で使っているあだ名を添えて、いつもの調子でコメントを書きました。
「夜景なんか撮って、急に気取ってるな」
「次の飲み会で、例の串の件の続きをやるからな」
その友人とは、飲み会であった出来事を何度も蒸し返して笑い合う仲です。今回もきっと、ふざけた返事が来るだろうと思っていました。
自分で書いたコメントがおかしくなり、思わず吹き出してしまいました。
すると、台所で洗い物をしていた妻が振り返りました。
「ちょっと、何を一人で笑ってるの?」
「いや、あいつに面白いコメント送ったんだよ。絶対何か言い返してくるぞ」
「はいはい。楽しそうで何よりね」
妻はあきれたように笑いました。私は満足して携帯電話を置き、そのまま寝室へ向かいました。
翌朝、届いた返信を読んで顔が熱くなった
翌朝、妻とソファでコーヒーを飲んでいると、昨夜のコメントに返信が届いていることに気づきました。
「おっ、返事が来てる」
いつものように悪口混じりの冗談が返ってきたのだろうと、楽しみに画面を開きました。
ところが、そこに書かれていたのは予想外の言葉でした。
「1度お会いしただけですが、ありがとうございます」
「お声がけ、うれしく思います。串のお話は存じ上げませんが、ぜひ伺いたいです」
「……え?」
思わず声が出ました。
あの友人が、こんなに丁寧な返事をするはずがありません。
嫌な予感がして、投稿者の名前をもう一度確認しました。
確かによく似ています。でも、よく見れば友人とは別の名前です。
そこでようやく思い出しました。
相手は先月、仕事の集まりで名刺を交換した取引先の人だったのです。
「うわっ、やってしまった……!」
慌てて昨夜のコメントを読み返しました。親しげなあだ名で呼びかけたうえに、「気取ってるな」とまで書いています。
しかも、相手が知るはずもない串の話まで。
私が頭を抱えていると、妻が隣から画面をのぞき込みました。
「どうしたの? ……この人、いつもの飲み友だち?」
「いや、それが……違う人だった。仕事で一回会っただけの人」
「えっ?じゃあ、その人にあんなコメント送ったの?」
「……そういうことになる」
妻は一瞬ぽかんとしたあと、こらえきれずに笑い始めました。
「ちょっと待って。串の話なんて、相手は何のことか分からないじゃない!」
「分かってるよ!だから困ってるんだって!」
私はそれから30分ほどかけて、お礼とおわびの返信を書きました。
何度も書いては消し、ようやく送った文章は、年始のあいさつ状より長くなっていました。
妻はその間にコーヒーを飲み終え、まだ笑っていました。
それ以来、私はコメントを送る前に、投稿者の名前と写真を必ず3回確認しています。
昨日も携帯電話を見ながら指を折って確認していると、隣にいた妻が笑いながら言いました。
「はい、3回。今日は本物の飲み友だちね」
どうやら、この失敗は妻に一生からかわれそうです。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














