「最近、物忘れがひどくて」父のプリンを知らないと言った母が、数分後に冷蔵庫でしていたこと
父が探していたプリン
実家に帰った週末の夜、両親と三人で夕食を食べていたときのことです。
焼き魚を食べながら、母がふとため息をつきました。
「このごろ物忘れがひどくて、困っちゃうのよね」
「何を忘れるの?」
「冷蔵庫に何が入ってるかとか。買ったことまで忘れちゃうの」
母は苦笑しながら肩をすくめました。
すると、それまで黙ってご飯を食べていた父が顔を上げます。
「そういえば、冷蔵庫の俺のプリン知らない?」
父は昨日の仕事帰りに、少しいいプリンをひとつだけ買ってきたそうです。
楽しみに取っておいたのに、昼に冷蔵庫を見たら見当たらなかったと言います。
「知らないわよ。私、さわってもいないもの」
母が迷いなく答えると、父は首をかしげました。
「じゃあ、どこ行ったんだろうなあ」
その話はそこで終わり、私たちはそのまま夕食を続けました。
食後、母が冷蔵庫から取り出したもの
食事が終わると、母が立ち上がりました。
「何か甘いもの、なかったかしら」
そう言いながら冷蔵庫を開け、棚の奥をのぞき込みます。
しばらくすると、母の声が明るくなりました。
「あら、プリンあった!」
母はカップを取り出すと、すっかり先ほどの話を忘れた様子で、ふたを開けてひと口食べました。
それを見た父が、すぐに声を上げます。
「ちょっと待って。それ、俺のプリンだよ!」
母はスプーンを持ったまま、きょとんと父を見ました。
「…え?」
数秒たってから、ようやく思い出したようです。
「あっ。さっき言ってたプリン?」
「そうだよ。ずっと探してたやつ」
「ごめん、すっかり忘れてた」
なくなったと思っていたプリンは、ずっと冷蔵庫の中にありました。
そして「知らない」と言っていた母自身が見つけ、そのまま食べ始めてしまったのです。
私は思わず吹き出しました。父もあきれた顔をしていましたが、やがて笑い始めました。
「物忘れより、食い意地のほうが心配だな」
「もう、ひどい」
そう言いながら、母も笑っています。
結局、母はプリンを食べ終えると、空になったカップを父に見せました。
「明日、2個買ってくるから許して」
それから父は、自分のプリンのふたに大きな丸を書くようになりました。
この前実家へ帰ったとき、母は丸のついたプリンを手にしながら、にやにやして父に聞いていました。
「これ、誰のだっけ?」
今では、あの一件もわが家の笑い話になっています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














