「駅でも見てたの!?なんで言わなかったの」朝から誰も触れなかった先輩の髪型、昼休みに発覚した事実
駅で見かけた、先輩の新しい髪型
その朝、駅の改札を出たところで、私は少し先を歩く先輩の後ろ姿に気づきました。
前髪には、大きなピンク色のカーラーが2つ。
くるりと巻かれたままで、すれ違う人たちもちらちらと先輩を振り返っています。
先輩は、職場でも特におしゃれな女性でした。
流行りの服や季節の新しい色を取り入れるのも早く、いつも堂々と着こなしています。
「さすが先輩。これも流行なのかな」
一瞬、声をかけようか迷いました。ただ、女性の髪型について私があれこれ言うのも失礼かもしれないと思い、そのまま少し離れて歩きました。
事務所に着いても、先輩はいつもどおり自分の席に座り、パソコンを立ち上げています。
すると、向かいの席の同僚が私にそっと目くばせしました。
「先輩のあれ…そういう髪型なんですかね」
「たぶん。駅でも結構目立ってたよ」
「へえ、そうなんだ…」
同僚もそれ以上は聞かず、仕事に戻りました。朝礼でも午前中の会議でも、誰ひとりカーラーには触れません。
私は「やっぱり流行なんだ」と、すっかり思い込んでいました。
昼休みに響いた悲鳴
ところが、昼休みが終わるころのことです。
廊下のほうから、突然「ええっ!」という先輩の声が聞こえてきました。
何事かと思って席を立ち、廊下へ出ると、女子トイレの方向から先輩が歩いてきます。
片手には、あのピンク色のカーラーが握られていました。
私と目が合うなり、先輩は顔を真っ赤にして近づいてきました。
「ちょっと、あなた……朝から見てたわよね?」
「はい。駅でも見かけましたけど……」
「駅でも!?なんで言ってくれなかったのよ!」
そこでようやく分かりました。
先輩は朝、前髪を巻いたままカーラーを外し忘れ、そのまま家を出てしまったのです。昼休みに鏡を見るまで、まったく気づいていなかったそうです。
「いや、新しい流行なのかと思って…」
「そんな流行あるわけないでしょう!」
先輩はカーラーを握ったまま私をにらみましたが、やがて自分でもおかしくなったのか、肩を震わせ始めました。
「私、あれで会議のいちばん前に座ってたのよ……」
近くで様子を見ていた同僚たちからも、思わず笑いが漏れました。
翌朝、出勤すると私の机にあめが1つ置かれていました。
先輩は通りすがりに人差し指を口元へ当て、小声で言いました。
「これ、口止め料ね」
それ以来、先輩の髪型がいつもと違う朝は、つい一度確認するようになりました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














