「ちょっと置いてるだけじゃない」廊下に段ボールを放置する隣人。だが、消防設備の点検で指摘された問題
隣人が共用廊下に置き始めた大量の荷物
2年ほど前、30代だった私は分譲マンションに暮らしていました。
隣の部屋に夫婦が引っ越してきたのは、そのころです。
ところが、ひと月ほどたつと、隣の玄関前の共用廊下に、大型のベビーカーや段ボール、自転車の空気入れが置かれるようになりました。
段ボールは積み重ねられ、廊下を通るたびに荷物をよけなければなりません。
ある日の昼間、廊下で隣の奥さんと顔を合わせた私は、思い切って声をかけました。
「あの、すみません。ここに荷物があると、ちょっと通りにくくて…」
すると、奥さんは顔をしかめました。
「え?だって、荷物が部屋に入らないんだから、しょうがないでしょ」
「でも、ここは共用の廊下ですし…」
「うちの子のものなの。よそから口出ししないでくれる?」
強い口調に、私はそれ以上何も言えませんでした。
さらに翌日からは、収集日でもないのに生ゴミの袋まで玄関横に置かれるようになったのです。
夏場の廊下には嫌なにおいがこもり、通るだけでも憂鬱でした。
困り果てて管理会社に相談すると、共用部分への私物の放置やゴミ出しについて、注意文を全戸に配布してくれました。エントランスの掲示板にも同じ内容が張り出されました。
しかし、荷物は一向に減りません。
ある日、掲示板の前で奥さんとすれ違ったときのことです。
奥さんは張り紙を指して、私に言いました。
「こんな紙一枚で、何が変わるのよ」
その言葉を聞いて、私はもう直接話すのはやめようと思いました。
消防設備の点検で明らかになったこと
それからしばらくして、マンションで消防設備の定期点検がありました。
その日、自宅の玄関先にいた私は、作業服姿の作業員が隣の部屋の前で立ち止まるのを見ました。
一緒にいた管理会社の担当者は、写真を挟んだクリップボードを手に、隣のインターホンを押しました。
出てきた奥さんは、二人の姿を見るなり不機嫌そうな顔をしました。
「何よ、また荷物のこと?ちょっと置いてるだけじゃない」
すると作業員が、廊下の荷物を指して説明しました。
「ここは火事のときに避難する通路でもあるんです。これだけ物が置いてあると危ないですよ。今回の点検でも、この状態を報告書に残します」
奥さんは一瞬黙りましたが、まだ納得できない様子でした。
そこで管理会社の担当者が、クリップボードから写真を取り出しました。
「こちら、これまでの巡回で撮った写真です。ご確認ください」
写真には、何週間も同じ場所に置かれた段ボールやベビーカー、さらに生ゴミの袋まで写っていました。
担当者は写真を一枚ずつ見せながら続けました。
「以前からお知らせしていますが、廊下には物を置かないでいただきたいんです。今日中に室内へ移していただけますか」
「このまま改善されなければ、規約違反として理事会でも取り上げることになります」
「……そんなに前から撮ってたの?」
奥さんは写真から目をそらし、それ以上は何も言いませんでした。
エレベーターの前では、ほかの階の住人も足を止め、こちらを見ていました。
その日の夕方、廊下を通ると、隣の玄関前にあった荷物はすべてなくなっていました。
数日後には、隣の部屋に理事会名義の注意書面も届いたそうです。
それ以降、生ゴミの袋も収集日の朝にしか見かけなくなりました。
久しぶりに荷物をよけずに歩ける廊下を見て、ようやくほっとしました。
何度注意しても変わらなかった状況でしたが、実際の記録を示してもらったことが、解決につながったのだと思います。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














