「結婚前の話だろ」100万円の借金を軽く考える夫。だが、私が作った返済表を義父が手に取った結果
結婚後に知った、夫の100万円の借金
結婚してしばらくたったころ、夫あての封筒に入っていた書類を見て、私は目を疑いました。そこには、およそ100万円もの借金が記されていたのです。
独身時代に、買い物や趣味のために重ねた借金でした。
結婚する前、夫からそんな話を聞いたことは一度もありません。
その夜、居間のソファでくつろいでいた夫に、私は書類を見せました。
「ねえ、これ何?借金があるなんて聞いてないよ」
夫は書類をちらっと見ただけで、平然と答えました。
「ああ、それ?たいしたことないって」
「たいしたことあるよ。100万円だよ?どうして今まで言ってくれなかったの?」
すると夫は、面倒くさそうに顔をそむけました。
「結婚前の話だろ。お前が口出すことじゃないだろ」
あまりにあっさりした返事に、私は言葉を失いました。
金額の大きさもショックでしたが、それ以上に、夫が自分の借金を軽く考えていることが悲しかったのです。
このまま放っておくわけにもいかず、私は自分の貯金を使って、夫の借金をまとめて返しました。
ただ、私が全額負担するつもりはありません。夫のお小遣いから毎月差し引いて返してもらおうと、返済表を作りました。
「これ、ちゃんと見てほしいんだけど。私が立て替えた分は、毎月返してね」
ところが夫は、表を見ることさえ嫌がりました。
「はいはい、分かったよ。そこ置いといて」
結局、テーブルに置いた返済表は、何日たっても手に取られないままでした。
義父の一言に、黙りこんだ夫
それからしばらくして、夫の実家を訪ねた日のことです。
昼間、義父母と居間の座卓を囲んでいた私は、鞄から返済表を取り出しました。
夫に結婚前から約100万円の借金があったこと。その借金を私の貯金で返したこと。そして、夫が返済についてきちんと話をしてくれないことを伝えました。
夫は隣で気まずそうに湯のみをいじりながら、小声で言いました。
「おい、こんなところで話すなよ…」
しかし義父は夫の言葉には答えず、返済表を手元に引き寄せました。
眼鏡をかけ直し、しばらく黙って表を見ています。義母も心配そうに、その横からのぞきこんでいました。
やがて義父は顔を上げ、夫をまっすぐに見ました。
「借りたものは返すのが当たり前だ」
いつもより厳しい声に、夫は慌てたように言い返しました。
「親父、でもさ、借金はもう返し終わってるんだし…」
「だから、返したのはお前じゃないだろ。妻の貯金だろう」
夫は何も言えなくなりました。
義父は座卓にあったペンを取り、返済表の上に置きました。
「ここに、お前の名前を書きなさい」
夫は何か言いかけましたが、義父の顔を見て口を閉じました。
義母も私も黙って見守るなか、夫はゆっくりとペンを手に取りました。そして返済表のいちばん下に、自分の名前を書いたのです。
家では見ようともしなかった返済表に、ようやく夫の名前が入りました。
その様子を見届けた義母は、私のほうへ向き直り、深く頭を下げました。
「本当に、ごめんなさいね…」
私はすぐには返事ができませんでした。義母に謝ってほしかったわけではなく、ただ夫自身に、返済と向き合ってほしかったのです。
帰りの車の中で、しばらく黙っていた夫が、前を向いたままぽつりと言いました。
「……ちゃんと返すよ」
私は窓の外を見ながら、小さくうなずきました。
返済表に名前を書いたからといって、すべてが解決したわけではありません。それでも、夫が初めて自分の言葉で返すと約束してくれたことに、少しだけほっとしました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














