「ねえ、あそこに置いてた袋は?」ホテルの朝食バイキングで料理を持ち帰ろうとした女性。戻ってきた彼女にスタッフが伝えたこと
朝食バイキングで見かけたグループ
数年前、旅先のホテルで朝食バイキングを利用したときのことです。
私が席に着くと、近くのテーブルにいた男女のグループが目に入りました。
テーブルにはカニやエビが山のように盛られた皿が並んでいましたが、どれも少し食べただけで、ほとんど残っています。
「ずいぶんたくさん取ったんだな…」
そう思っていると、グループの女性がビニール袋を取り出しました。
驚いたことに、手をつけていないパンや個包装のジャム、果物を次々と詰め始めたのです。
「ほら、こっちのパンも。払った分はもらっておかないとね」
「果物も入れとこう。昼に食べられるし」
連れの男性も笑いながら袋をのぞき込んでいます。
食べ残した料理がたくさんあるのに、今度は持ち帰り用に料理を集めていることに、私は驚いてしまいました。
そこへ、制服姿の女性スタッフが通りかかりました。
袋に気づいたスタッフは、テーブルの横で立ち止まって声をかけました。
「申し訳ございません。お料理のお持ち帰りは、ご遠慮いただいております」
すると、袋を持っていた女性が不機嫌そうな顔になりました。
「うるさいわね!まだ食べてるんだから、そのままにしといて!」
突然の大声に、周囲の客も振り向きます。
その後、グループは料理も袋もテーブルに残したまま、全員で会場の外へ出ていきました。
すぐに戻ってくるのかと思いましたが、誰も席に戻ってきませんでした。
戻ってきた女性が探していたもの
グループがいなくなってから、しばらく時間がたちました。
やがて、先ほどのスタッフがテーブルを片づけ始めました。
食べ残されたカニやエビの皿だけでなく、パンなどを詰めた袋も下げていきます。
それからしばらくして、朝食の終了時間が近づいたころです。
先ほどの女性が、ひとりで会場に戻ってきました。
自分たちが座っていたテーブルを見ると、急に表情が変わりました。
そこにはもう、料理も袋もありません。
女性は入口付近にいたスタッフに声をかけました。
「ねえ、あそこに置いてた袋は?」
「お戻りがなかったのでお下げしました」
「えっ?まだ食べてるって言ったじゃない!」
女性は納得できない様子でしたが、スタッフは落ち着いて答えました。
「はい。しばらくお待ちしておりました。ただ、お料理のお持ち帰りは、ご遠慮いただいております」
女性は何か言おうと口を開きましたが、結局、言葉が出てこない様子でした。
近くにいた客たちも、そのやり取りを見て小さくうなずき合っていました。
結局、女性はそれ以上何も言わず、手ぶらで会場を出ていきました。
私は残りのコーヒーを飲み終え、入口にいたスタッフに小さく会釈しました。
大声で言い返すことなく、最後まで落ち着いて対応していた姿が、今も印象に残っています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














