「それで、得してたのは誰だった?」旅行の精算を終えた私に夫が放った一言。思い返すと恥ずかしかった勘違い
「あとで精算しよう」で始まった家族旅行
母と妹の家族、それに私たち夫婦で旅行に出かけることになったときの話です。
久しぶりの家族旅行で楽しみだったのですが、計画を立てる段階から、費用のことで少し意見が分かれていました。
妹は少し良い宿に泊まりたいと言い、母は移動にかかるお金をできるだけ抑えたい様子。
私も自分の希望を伝えたため、なかなか話がまとまりません。
そんなとき、夫が口を開きました。
「じゃあ、とりあえず各自で立て替えて、帰ってからまとめて精算しようか」
みんなも納得し、その場は収まりました。
ただ、私は少し心配でした。あとから精算するとなると、誰がいくら払ったのか分からなくなりそうだったからです。
旅行が始まると、その心配は少しずつ不満に変わっていきました。
食事の会計で財布を出したり、お土産売り場で支払いをしたり。
気づけば、何度も自分がお金を出しているような気がしたのです。
帰りの電車で、隣に座っていた夫に小声でこぼしました。
「ねえ、なんだかいつも私が払ってる気がするんだけど」
「そう? みんな同じくらいじゃない?」
「そうかなあ…。結構出してると思うんだけど」
夫はあまり気にしていない様子でした。
私は納得できず、家に帰ったらきちんと計算しようと決めました。
精算表を作って気づいた、思わぬ事実
旅行後の週末の夜、母と妹が旅行の写真を見ようと家に来てくれました。
夫たちが台所でお茶を飲んでいるあいだ、私は居間のテーブルにレシートの束と手書きの表を広げました。
交通費、宿泊費、食事代、お土産、入場料。
項目ごとに書き出し、誰が支払ったものなのか、自分のために使ったお金はいくらなのかを確認していきます。
「これも私が払ったよね…。あれ、こっちは違うか」
レシートを見直しながら電卓をたたいていると、だんだん思い違いに気づき始めました。
確かに私は何度も財布を出していました。
でも、お土産売り場であれこれ買っていたのは、ほかでもない私自身だったのです。
一方で、入場口では妹が、レジでは母が、私の分まで立て替えてくれていました。
支払った回数ばかり気にして、誰のために使ったお金なのかを考えていなかったのです。
それぞれの負担分を差し引いて、最後の金額を出した瞬間、私は固まりました。
「えっ…私が払うほうなの?」
何度見直しても、結果は同じです。
自分ばかり損をしていると思っていたのに、実際には私のほうが追加で支払う必要があったのです。
あまりの勘違いに、思わず笑ってしまいました。
その声を聞いた母と妹が居間にやってきて、夫もあとからついてきました。
「わあ、ちゃんと項目ごとに分けてある。すごいね」
妹が表をのぞきこみ、母も笑顔で私の肩に手を置きました。
「精算表を作ってくれてありがとう」
「本当に助かるわ。こういうのって、つい後回しにしちゃうから」
「あ、うん……。ちゃんと計算できたから……」
私は少し恥ずかしくなって、曖昧に笑うことしかできませんでした。
隣で精算表を見た夫は、口元を押さえて笑いをこらえています。
その夜、母と妹を見送ったあと、私は黙って追加分を振り込みました。
ようやく精算を終えた私に、夫がお茶をすすりながら聞いてきました。
「それで、得してたのは誰だった?」
「……もう、言わないで」
私が顔をしかめると、夫はとうとう笑い出しました。
「次は、お土産売り場の前で私を止めて」
そう言い返しながら、私も笑ってしまいました。
自分が何度財布を出したかは覚えていても、人に払ってもらったことは意外と忘れているものです。
次の旅行では、不満を言う前に、まず自分の買い物を振り返ろうと思ったのでした。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














