「これ、女だけでやる必要ある?」法事で女性にだけ作業を振った義母。だが、夫の一言で状況が一変
法事のたびに、女性だけが立ち上がる
義父の法要が終わり、親戚たちが座敷でひと息ついていたときのことです。
部屋の隅には、参列してくださった方へ渡す品物や紙袋がまとめて置かれていました。あとは数を確認しながら袋に入れ、持ち帰ってもらえるよう準備するだけです。
すると義母が、いつものような口調で言いました。
「じゃあ、香典返しは女で分けてね」
続けて、男性たちのほうを見ながら笑います。
「男の人はそのまま座ってていいから」
義姉が立ち上がり、私も腰を上げました。ほかの女性たちも特に何も言いません。
昔から、義実家では法事のあとの片付けや配り物の準備は女性の役目でした。
男性たちが座敷で話をしている横で、女性だけが食器を下げたり、紙袋を並べたりする。その光景を私は何度も見てきました。
以前、義姉が片付けの途中で小さく「人数いるんだから、みんなでやったら早いのにね」と漏らしたこともあります。
私も同じことを思っていましたが、「昔からこうだから」と言われれば、それ以上は何も言えませんでした。
夫が初めて口にした疑問
私が紙袋を広げようとした、そのときです。
座っていた夫がこちらを見て言いました。
「これ、女だけでやる必要ある?」
義母が少し驚いたように夫を見ました。
「何言ってるの。こういうのは昔から女がやってるでしょう」
すると夫は、積まれた箱を指さしました。
「でも、人数いたほうが早いやろ。俺らも手空いてるし」
そう言って立ち上がると、箱を一つ持って私たちのところへ運んできました。
義母は「別にそこまでしなくても」と少し困ったように言いましたが、夫は気にせず袋を広げ始めます。
その様子を見ていた義弟も、「じゃあ俺、箱開けるわ」と加わりました。
男性全員が手伝ったわけではありません。それでも、それまで女性だけでやっていた作業に男性が加わったのは、私が知る限り初めてでした。
義姉が私の隣で、小さな声で言いました。
「やっぱり、こっちのほうが早いよね」
私も思わず笑ってしまいました。
箱を開ける人、数を確認する人、袋に入れる人と自然に分かれたことで、作業は思っていたより早く終わりました。
最後の袋をまとめると、夫が何気なく言いました。
「次からも、こうしたらええやん」
義母はすぐには返事をせず、片付いた座敷をしばらく見ていました。
そして、「まあ、早いのは早いわね」とだけ言ったのです。
義母の考えが、その日だけですべて変わったわけではないと思います。
それでも次に親戚が集まったとき、夫は誰かに言われる前から片付けを手伝っていました。義弟も自然にその横へ加わります。
長く続いてきた「女がやるもの」という空気も、誰かが一度声に出せば、少しずつ変わっていくのかもしれません。
あの日、当たり前のように立ち上がろうとしていた私は、夫の何気ないひと言が今でも心に残っています。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、60代以上・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














