本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
年収マウント男
友人に誘われた合コンでのこと。男性陣の中に、やたらと「上場企業勤務」をアピールする男性がいました。
「俺の会社は上場企業なんで、福利厚生も給料もそこらの中小とはレベルが違うんだよね」
会話の端々に自慢を挟み、他の参加者を見下すような態度は、正直言って不愉快極まりないものでした。
「君たちの会社はボーナスはどれくらい?」
とお金の話ばかり。
私たちは苦笑いでやり過ごすしかありませんでした。
「俺がまとめて払うよ」スマートな会計の裏で
お開きになり、お会計は全員で3万円でした。
彼はリーダーぶって、
「俺がまとめて払うから、みんなは現金で渡して。男は6千円、女は4千円でいいよ」
と仕切りました。
きっちり3万円を回収し、レジへ向かう彼。
「カードで払ってポイント貯めたいだけだから」
と言うので、最初は
「少しセコいけど、まあいいか」
と思っていました。
しかし、私がトイレに行くついでに、レジでのやり取りを見てしまったのです。
彼は店員に対し、スマホの画面を見せてドヤ顔でこう言っていました。
「これ、会計から50%オフのクーポン。使えるよね?」
なんと、彼はこっそりと「半額クーポン」を使っていたのです。
つまり、実際の支払いは1万5千円。
私たちから集めた3万円との差額、1万5千円を自分の懐に入れる気満々です。
「半額なんですね!」公開処刑で撃沈
私はすかさず、入り口で待っていたみんなにも聞こえるような大きな声で言いました。
「えっすごい! 〇〇さん、このお店の半額クーポン持ってたんですか!? さすが上場企業のエリートは情報収集力が違いますね!」
「えっ……あ、いや……」
振り返った彼の顔は真っ青。
脂汗を流して固まっています。
私はニッコリ笑って畳み掛けました。
「じゃあ、お会計は半額で済みますね! みんな~! 〇〇さんがクーポンで半額にしてくれたから、みんなに半分ずつ返金だって! よっ、太っ腹!」
「お、おい! 違う……!」
女性陣からは
「え、最初からクーポン使うつもりで多めに徴収したの?」「中抜きしようとしたってこと?」「セコすぎ……」
とドン引きの嵐。
結局、彼は返金する羽目に。
さらに、慌てて出したクレジットカードはまさかの「利用限度額オーバー」で決済できず、現金も足りずに友人に借りるという、恥の上塗りを晒していました。
「上場企業だから」と威張っていた彼の信用は、たった数千円の欲のためにストップ安となり、上場廃止となったのでした。
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