「うそ、ぶつかる…!」なぜか私の方に迫り来る自転車。間一髪、自転車は止まったが、運転手の耳を疑う一言とは
自転車の恐怖
日課の買い物へ向かう道。
30代の私にとって、この数分の徒歩移動はちょっとしたリフレッシュの時間のはずでした。
私は自他ともに認める「慎重派」な歩行者。
狭い道で自転車や車の音が聞こえれば、すぐに反応してしまいます。
「あ、後ろから来たな。端によっておこう」
相手の邪魔にならないよう、道の端っこにピタッと寄って足を止める。
相手が通り過ぎるまでじっと待つのが、私なりの鉄則。
今日もいつものように、前方から一台の自転車がゆっくりとやってきました。
ハンドルを握っているのは、高齢の女性。
「ここなら大丈夫。どうぞ、お先に」
私はいつものように、道の端にしっかり避けて立ち止まりました。ところが……。
(えっ、ちょっと待って。なんでこっちに来るの!?)
道幅は十分にあります。
真ん中も反対側もガラ空き。
それなのに、その自転車はわざわざ私が立っている「ピンポイントな場所」に向かって、一直線に突き進んでくるのです。
まるで磁石に吸い寄せられるかのような進路。
「うそ、ぶつかる……!」
あまりの恐怖に身をすくませた瞬間。接触する数センチ手前で、ようやくその女性は私に気づきました。
「あらあっ!びっくりしたわあ!急にそこにいるから、驚いちゃったじゃない!」
大きな声を上げながら、フラフラと危なっかしくハンドルを切って通り過ぎようとする女性。私は呆然と立ち尽くすしかありません。
(……驚きたいのは、こっちの方なんですけど。ずっと前からここにいたのに)
無実を証明してくれたのは
モヤモヤを通り越して、あまりの理不尽さに言葉を失っていたその時。
背後から、キリッとした声が響きました。
「奥さん、今の危ないですよ。その方はずっと前からそこで待っていましたよ」
振り返ると、ちょうど通りかかった近所の方が立ち止まっていました。一部始終を見ていたようです。
自転車の女性は、不意に声をかけられて「えっ?」と足を止めました。
「ええ、でも急に目の前に現れたから……」
「あなたが前を見ていなかっただけでしょう。この方が端に避けて止まっていたのに、あなたの方から突っ込んでいきましたよ。ぶつからなくて本当に良かったですね」
近所の方の、淡々としているけれど核心を突いた指摘。
自転車の女性は、ぐうの音も出ない様子で顔を赤らめました。
「……あ、そうだったかしら。ごめんなさいね、つい前をぼーっと見ていたみたいで……」
それまでの「逆ギレ」に近い態度はどこへやら。
女性はバツが悪そうに何度も会釈をして、今度はしっかりと前を見据えて、ゆっくりと走り去っていきました。
「大丈夫でしたか? 避けて待っている人に突っ込むなんて、本当に危ないですよね」
「ありがとうございます。助かりました……!」
味方がいてくれた。
その事実だけで、胸に溜まっていたモヤモヤがスーッと晴れていくのを感じました。
最近よく耳にする「自転車の事故」というニュース。
加害者側が「歩行者が急に……」と主張する裏側には、案外こういうケースも多いのかもしれません。
「自分の身を守るために止まった場所に、相手が突っ込んでくる」という理不尽。
「よし、買い物に行こう」
自分に非がないことを証明してもらえたおかげで、足取りは少し軽くなりました。
でも、あの恐怖は忘れられません。
「お願いだから、ハンドルを握るならしっかり前を見て!」
歩行者がどれだけ配慮しても、運転する側の意識がなければ事故は防げない。
そんな当たり前のことを、ハンドルを握るすべての人に切実に願わずにはいられない、ある日の出来事でした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














