「迷惑だから、いつも配らなくてもいいのに」職場でお菓子を配っていた私に嫌味を言う同僚→配り終わった後に抱えた葛藤
出社日の小さな楽しみ
週に2日ある出社日には、必ずお菓子を買ってチームに配る。
気づけばそれが、入社から2年間ずっと続いている日課になっていた。
最初は遠慮していた人が多かったが、続けるうちに少しずつ変わってきた。
「今日何ですか?」と聞いてくれる人、大袋からごっそり持っていく先輩、「これ好きなんだよね」と顔をほころばせる同僚。
そういう反応がうれしくて、次の出社日には何を買おうかとスーパーで考えるのが習慣になっていた。
誰かに頼まれたわけでも、会社のルールでもない。全部自費で、ただ続けたくてやっていることだった。
それでも、お菓子1袋をきっかけに、普段接点のない部署の人と少し話せる瞬間があって、それが出社日の何よりの楽しみになっていた。
ほとんど顔を見せない人からの言葉
出社日とはいえ、月に1〜2度しか実際に現れない男性社員がいた。その日は珍しくフロアに姿があったので、「よかったら」とお菓子を差し出した。
普段あまり接点のない人なので、これをきっかけに少し話せたらと思っていた。
彼はちらっと袋を見て、こう言った。
「迷惑だから、いつも配らなくてもいいのに」
「今さら」という気持ちが先に立った。2年続けてきて、今になって初めてそれを言われるとは思っていなかった。
それも、ほぼ出社していない人から。
やめてほしいとも、やめたいとも思っていない。
続けることが楽しくて、職場の人と話すきっかけになっていると感じているから、自分のためにやっているところが大きい。正直、金額は大した額ではないし、それよりも配る側のほうが得ているものがある気すらしていた。
だからこそ、配っているこちら側に向けて「いいのに」と言われると、行為そのものを軽く取り上げられた感じがした。
「楽しいのでいいんです」と返すと、「そっか」とだけ言って彼はパソコンに向き直った。
会話はそこで終わった。
配り終えて席に戻っても、なんとなくすっきりしなかった。否定されたわけでも怒られたわけでもない。
ただ、いつもそこにいない人から「それ、必要ある?」と問われたような気持ちが抜けなかった。普段の出社状況を見てから言ってくれる人とは、立っている場所が違う気がした。
次の出社日もお菓子は買う。それは変わらない。でも、あの一言がどこかに引っかかっていて、配るたびに少しだけ思い出してしまうかもしれない。それが少しだけ、胸の端に残っている。次に彼が出社してきたとき、自分はどんな顔をして渡せばいいのか、まだ答えが出ない。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














