「あんなに脱いだのに」ロッカー室で何度も着替えた保育士。だが、駅で園児に指摘された姿とは
帰るはずなのに、またエプロンを結んでいた
私は40代で、保育園の保育士のパートをしています。
自分の子どもの世話もあるため、勤務は夕方5時までです。
その日も仕事を終えると職員のロッカー室へ入り、ジャージとエプロンを脱いで、朝着てきた服に着替えました。
隣では、同じ時間に上がる同僚も帰り支度をしています。
明日の当番について話しながら、私はロッカーの中を片づけていました。
「明日は早番ですよね。雨だったら、お散歩どうします?」
「そうね。ホールで体操にしようか。ボールも出しておいて…」
そこまで言ったところで、腰に違和感がありました。
見ると、さっき脱いだはずのエプロンをもう一度身につけ、ひもまできちんと結んでいたのです。
「あれ、もう一回着るんですか?」
同僚に言われ、私は慌ててひもをほどきました。
「えっ…また着てる。もう帰るのに」
ところが、そのあと明日のおやつの話をしているうちに、今度はジャージの上着に腕を通していました。
「先生、今度はジャージ着てますよ」
「うそ、また?」
二人で笑いながら、私はもう一度ジャージを脱いでロッカーへ。
エプロンだけは洗うために持ち帰るので手元に残し、今度こそ私服の上着を着てロッカーに鍵をかけました。
改札を抜けたところで聞こえた「先生!」
帰りに使う駅は小さく、改札を抜けるとすぐホームがあります。
カードをかざして改札を通ったところで、聞き覚えのある声がしました。
「先生!」
受け持ちの4歳の男の子が、ホームのベンチのほうからこちらへやってきました。
少し後ろには、大きな買い物袋を提げたお母さんもいます。
「こんばんは。先生ね、今日はもうお仕事おしまいなの」
そう言うと、男の子が私の胸もとを見て首をかしげました。
「先生、エプロン着てるよ」
「え?」
慌てて私服の上着の前を確かめると、その下からピンクのエプロンが見えています。腰のひもまで、しっかりちょう結びになっていました。
持ち帰るつもりだったエプロンを、帰り支度の途中でまた身につけてしまったようです。
「あんなに脱いだのに…」
思わずつぶやくと、お母さんがこらえきれないように笑いました。
「先生、もう明日の準備ですか?」
「自分でも、いつ着たのか分からないです」
私はホームの端を避けた場所で、そっとエプロンを外しました。男の子はおかしそうに笑っています。
家に帰るだけなのに、気を抜くとすぐ仕事着に戻ってしまう自分がおかしくて、私も笑ってしまいました。
「もう、仕事が染みつきすぎてるなあ」
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














