「この値段、チラシと違うだろ」新人店員を10分責めた男性。だが、自分のメモを見て言葉を失った瞬間
新人の店員に詰め寄る男性
先週の月曜日の夕方、私は近所のスーパーで、夕飯の材料を入れたかごを手にレジの列に並んでいました。
店内は帰宅前の客で混み合っています。
私の前には50代くらいの男性客がいました。レジには「研修中」の名札をつけた20代くらいの女性店員が立ち、私のうしろにも5人ほどが並んでいました。
店員さんが合計2480円を告げると、男性はポケットから折りたたんだ特売チラシを取り出しました。レジの画面と見比べたあと、声を荒らげます。
「この値段、チラシと違うだろ。打ち直してくれ」
「申し訳ありません。こちらの特売はもう終わってます」
すると男性はチラシを持ち上げました。
「そんなの分かりにくいだろ。責任者を呼んでくれ」
店員さんが呼び出しのベルを鳴らしましたが、混雑しているためか、すぐには誰も来ません。
店員さんは何度も同じ説明をしていましたが、男性の声はなかなか収まりませんでした。
気づけば10分近くたち、うしろの列からも困ったようなざわめきが聞こえてきました。
赤いペンで書かれていた一言
そこへ、40代くらいの店長が駆けつけ、店員さんの横に立ちました。
男性の話を聞いたあと、店長は落ち着いた声で尋ねます。
「お客様、そのチラシを確認させていただいてもよろしいでしょうか」
「ほら。ここに書いてあるだろ」
男性が差し出したチラシを、店長はレジ台の上に広げました。
「こちらですね。上に『土日限り』とありますので、特売は昨日の日曜日までとなっています」
男性は何か言い返そうとしましたが、店長の目がチラシの右下で止まりました。
そこには赤いペンで、短いメモが書かれていました。
店長は男性に見えるよう指を添えます。
「こちらの『土曜に行く』というメモは、お客様がお書きになったものでしょうか」
男性は一瞬黙り込み、チラシを見つめました。
「……そうだけど」
その返事を聞いた途端、列のあちこちから小さな笑い声がもれました。うしろにいた若い男性客も、顔を伏せて肩を震わせています。
男性は顔を赤くすると、それ以上は何も言わず、2480円をトレーに置きました。そしてチラシを折りたたんでポケットにしまい、早足で店を出ていきました。
店長は新人の店員さんに、「ちゃんと説明できてたよ」と短く声をかけました。
そのあと店長が待っていた客たちに頭を下げると、店員さんは目もとをぬぐい、私のかごを受け取りました。
さっきまで緊張していた表情が少しだけやわらいだのを見て、私もようやく肩の力が抜けました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














