「ずいぶん手広くやってる会社だと思ってたのよ!」おいしかったカップラーメンのメーカーを探す母。だが、恥ずかしい勘違いが発覚
寒い日のお昼は、こたつでカップラーメン
冬の休日、私は実家に立ち寄り、母と居間のこたつに入っていました。
お昼をどうしようかと話していると、母が台所からカップラーメンを二つ持ってきました。
やかんで沸かしたお湯を注ぎながら、うれしそうに言います。
「寒い日は、これが一番あったまるのよ」
「お母さん、こういうの食べるんだ。ちょっと意外」
「食べるわよ。ひとりのお昼なんて、これで十分だもの」
母はそう言って笑いました。
食べてみると、思っていたよりずっとおいしいラーメンです。
母が庭の花の話をするのを聞きながら、私も箸を進めました。
やがて母が先に食べ終わり、私のカップにはまだ半分ほど麺が残っていました。
「これ、おいしいね。どこのラーメンなんだろう。うちでも買いたいな」
何気なくそう言うと、母は空になったカップを手に取りました。
「待ってて。お母さんが探してあげる」
母は老眼鏡をかけ直し、カップの側面をじっくり眺め始めました。
小さな文字を一行ずつ目で追い、カップをくるくる回しています。
底を天井の明かりにかざしたかと思えば、今度はふたを広げて裏まで確認していました。
私はその様子を見ながら、残りのラーメンを食べていました。
母が見つけた「メーカー名」の正体
しばらくすると、母が「あった!」と声を上げました。
「ほら、ここ!ジスってメーカーみたいよ」
母は得意げにカップの側面をこちらへ向け、小さな丸いマークを指さしています。
「えっ、ジス?」
私は箸を止め、母の指先をのぞき込みました。
そこにあったのは「JAS」の文字が入ったマーク。
食品が一定の規格を満たしていることを示す、JASマークだったのです。
まさかそれをメーカー名だと思っていたなんて。
笑いそうになった私は、慌てて口元を押さえました。
「お母さん、それ……ジスじゃなくて、ジャスだよ」
「えっ?ジャス?」
「うん。メーカーの名前じゃなくて、JASマーク。食品についてるやつ」
母は老眼鏡をずらし、もう一度マークを見つめました。
「あら……ああ!そういえば、そんなマークあったわね!」
そして、自分でもおかしくなったのか、突然笑い出したのです。
「やだ、私ったら!ずいぶん手広くやってる会社だと思ってたのよ!」
その言葉に、私もとうとう我慢できなくなりました。
「もう、お母さん!どれだけ大きな会社だと思ってたの!」
二人でこたつの天板につかまりながら、涙が出るほど笑いました。
それ以来、母は買い物から帰ると、品物の裏にあるマークを確かめるようになりました。
先日も、台所から楽しそうな声が聞こえてきました。
「ほら見て。これも、ジスさんのところのね!」
今ではすっかり、母のお気に入りの冗談になっています。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














