「まずい唐揚げは弁当にしろ!」と私の料理を食べもせずけなし、毎晩店の味をほめる夫。自分の舌でうつむいた
毎晩のオレンジ色の紙袋
夫は毎晩、駅前の店の唐揚げを買って帰ってきます
平日の夜、夫が帰ってきました。
手には、駅前の唐揚げ屋のオレンジ色の紙袋。結婚して3年、ほとんど毎晩のことです。
夫は紙袋を私に渡して温めさせ、白い箱のまま唐揚げを食べます。
食卓の真ん中には、私が揚げた唐揚げを盛った藍色の大皿。
唐揚げは夫の好物です。いつか食べてくれると信じて、週に何度も揚げてきました。
夫は大皿に箸もつけず、箱の唐揚げを口へ運びながら言いました。
「まずい唐揚げは弁当にしろ!」
「一口だけでも…。」
夫は私の唐揚げを、食べもせずにまずいと言いました
夫は鼻で笑い、箱の唐揚げを箸で持ち上げてみせました。
「駅前の店のは一口で分かる!」
「お前のは食べなくても分かる。」
結婚してから、料理をほめられたことは一度もありません。
言い返せば、それなら作るなと言われるだけ。
いつの間にか、自分の味に自信がなくなっていました。
言われたとおり、大皿に残った唐揚げは、翌朝の私のお弁当に詰めています。
金曜の夜、夫は座ったまま紙袋を私に突き出しました
金曜の夜。その日は唐揚げを揚げ、藍色の大皿に盛っていました。
帰ってきた夫は椅子に座るなり、紙袋を私に突き出しました。
「温めとけよ。」
今夜も、あの箱を温めるのか。私は小さく息を吐いて紙袋を受け取り、冷めかけた大皿も一緒に台所へ運びました。
金曜の夜の食卓
夫は大皿の唐揚げをけなし、箱の唐揚げをほめました
台所から戻ると、私はいつものように、温めた白い箱を夫の前に、大皿をその奥に置きました。
夫は大皿を見て、鼻で笑います。いつも一口って言うから、食べてやるよ。
それで二度と言うなよ。そう言って大皿の唐揚げを1つかじると、すぐに大皿の縁へ戻しました。
「やっぱりお前のはまずい!」
大皿にはもう目もくれず、箱の唐揚げを箸で持ち上げると、夫は満足そうにうなずきます。
「これが本物の味だ!」
温め直すとき、私は箱と大皿の中身を入れ替えていました
私は箸を置き、夫の目を見ました。
「お店の唐揚げを、まずいと言ったの。」
「私の唐揚げを、本物と言ったの。」
台所で温め直すとき、私は箱と大皿の中身を入れ替えていました。
見た目は、ほとんど同じです。
2つとも同じように温めたので、熱さも変わりません。
私の唐揚げだと思わずに、一度だけ食べてほしかった。私は何も言わず、器を並べただけでした。
自分の言葉を返され、夫は箸を持ったままうつむきました
夫は箸を持ったまま、大皿と箱を見比べました。
「き、今日は店がはずれで…。」
「一口で分かるんですよね?」
はずれだったとしても、私の唐揚げを本物と呼んだのは、あなたです。揚げた残りは台所にあります。食べ比べてみますか。そう続けると、夫は口を結んでうつむきました。
大皿に残ったお店の唐揚げは、あなたが食べてくださいね。まずい唐揚げは、もう私のお弁当には詰めませんから。夫は、何も言い返せませんでした。結婚して初めて聞いた『本物』は、私の唐揚げに向けられた言葉でした。
※本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














