
家族の分まで食べてしまう食い尽くし夫との価値観のズレを解消し、円満な同居生活を送るための秘訣を専門家が伝授
家族のためにと買ってきたお土産を、誰の許可もなく一人でほとんど食べてしまったら。そんな些細な出来事が、夫婦関係に深刻な亀裂を生じさせることがあります。神奈川県に住む30代の匡子さんは、実の両親との同居を始めた矢先、夫の信じられない行動に直面しました。
父親が家族4人のために買ってきた10個のドーナツ。翌朝、匡子さんが箱を開けると、そこには4個しか残っていませんでした。深夜に帰宅した夫が一人で6個も平らげていたのです。驚く匡子さんをよそに、翌朝起きてきた夫が放ったのは『俺の分は?』という耳を疑う言葉でした。残り4個の中に、さらに自分の取り分があると思い込んでいた夫の姿に、匡子さんは強い違和感を抱きました。
SNSでは、こうした配慮に欠ける食欲を持つ人々を食い尽くし系と呼び、多くの体験談が寄せられています。
『4人家族でいくらたくさんあっても、俺以外は1人1個、残りは全部俺だと思っている』
『15本あったエビフライの10本を30代後半の夫が食べた。怒ったら、好きだからと言われた』
といった、他人の分を想像できない振る舞いに対する嘆きの声が目立ちます。
夫婦カウンセラーの原嶋めぐみさんによると、この問題の根底には育ってきた環境による当たり前の基準の違いがあるといいます。公平に分けることが前提の家庭もあれば、早い者勝ちで好きなだけ取る家庭もあります。悪気がないからこそ、指摘されてもなぜ怒られているのか理解できないケースも少なくありません。
しかし、同居という共同生活において、このズレは致命的です。SNSでは
『こういうことに気を使えない人間が仕事ができるわけない』
『自分の子ども相手でも気にしないなんて怖い』
といった、躾や人間性を疑問視する厳しい意見も散見されました。
解決策として、原嶋さんは前提をそろえることを提案しています。何個あって、誰が何個食べるのか、具体的な数と分け方を事前に共有し、ルールを形にすることが大切です。それでも改善されない場合は、共有の食べ物を減らし、個別に管理するという現実的な対応も必要になるでしょう。
小さなドーナツ一つをめぐる騒動ですが、それは家族への敬意や思いやりの有無を映し出す鏡でもあります。
言わなくてもわかるという甘えを捨て、丁寧に言葉を尽くすことが、平穏な家庭生活を守る唯一の道なのかもしれません。














