「ほかの子の顔、映ってるけど大丈夫?」運動会をライブ配信していた保護者。だが、知り合いのコメントに固まった瞬間
運動会で始まった突然のライブ配信
息子の運動会の日、私は校庭の保護者席に座り、カメラを準備しながら息子のクラスの出番を待っていました。
すると、隣に座っていた女性の保護者が、携帯電話を頭の上まで持ち上げました。
「おはよう! 今日はうちの子の運動会! 生中継しちゃいます!」
どうやらライブ配信を始めたようです。
携帯電話の画面がこちらに傾いたとき、校庭に並ぶ子どもたちの姿が見えました。これから競技に出る子どもたちの中には、息子と同じクラスの女の子もいます。
その子の顔まで大きく映っているのを見て、私は少し心配になりました。
すると、前の列に座っていた保護者が振り返りました。
「あの、ほかのお子さんも映っちゃってますよ。大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫、大丈夫。すぐ終わるから!」
女性は笑いながら答えると、そのまま配信を続けました。
気になった私は、隣からもう一度声をかけました。
「すみません。できれば、ご自分のお子さんだけ映したほうが……」
「えー、そんなに気にしなくても。見てる人も楽しみにしてくれてるんですよ」
女性は少し面倒そうに答え、再び画面に向き直りました。
それ以上は言いづらく、私は黙ってしまいました。
配信を見ていた知り合いからの一言
やがて玉入れが始まりました。
女性は携帯電話を掲げたまま、流れてくるコメントに楽しそうに返事をしています。
「かわいい? でしょ! ちょっと待って、もっと寄せるね!」
ところが、あるコメントを読み上げたところで、女性の声が止まりました。
「ほかの子の顔、映ってるけど大丈夫?」
それは、先ほどまで女性が親しげに話しかけていた知り合いからのコメントだったようです。
「……え?」
女性は画面をじっと見つめました。
その後も同じような指摘が届いているのか、画面を確認するたびに表情が曇っていきます。
「え……そんなに映ってる?」
女性は小さくつぶやき、掲げていた携帯電話を胸の前まで下ろしました。
さっきまで私たちの注意には笑って答えていたのに、今度は返す言葉が見つからないようでした。
やがて女性は慌てた様子で画面に触れ、配信を終了しました。
携帯電話を裏返して膝に置き、そのままかばんにしまいます。
前の列の保護者が、隣の人に小さな声で言いました。
「止まったね。よかった……」
女性は何も言わず、校庭で競技をしているわが子を見つめていました。
私もようやく安心し、カメラを構え直しました。ちょうど息子のクラスが入場してくるところです。
わが子の頑張る姿を誰かに見せたい気持ちは分かります。ただ、そこにはほかの家庭の大切な子どもたちもいます。
近くにいた私たちの言葉では伝わらなかったことが、配信を見ていた知り合いの一言で届いたのかもしれません。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














