「なにこれ!?掃除してるの!?」と機嫌が悪いとあたりが強い上司→耐えきれず別店舗を願い出た結果
カウンターに置かれる音
20代で配属された店舗には、30代後半の主任の女性上司がいました。
私の直属の教育係でもあった人です。
仕事の手順を覚えるまでの間は、穏やかに見えました。
違和感の入り口は、引き継ぎの場面でした。
書類を渡すときに、伝票やペンが、無言でカウンターに叩きつけられて差し出されるのです。
「はい、これ」
必要なら必要と言ってくれればいい。
けれどその一言すら省かれて、ただ音だけが置かれる日が増えていきました。
書類の角がカウンターに当たる音、ペンが転がる音。
指示の代わりにそれが置かれる職場でした。
不思議なのは、機嫌のいい日は同じ人が冗談まで言ってくることです。
波の振れ幅が大きすぎて、こちらが話しかけていい時間帯を測るのに毎朝十分くらい使う。
気がつけば、私はその人の顔色を読むためだけに体力を使う社員になっていました。
同期に相談しても「あの人、誰にでもああだから」で終わってしまう。
先輩は皆、関わるとこちらにも飛び火するからと、視線を伏せて自分の作業に戻っていきます。
守ってくれる人はどこにもおらず、自分で自分の身を守るしかない店舗だと、半年で痛感していました。
流し場の一言と異動願
決定的だったのは、休憩室の流し場のことです。縁の隅にうっすらカビが浮いていただけで呼びつけられました。
「なにこれ!?掃除してるの!?」
同じ場所は前日も見えていたはずなのに、その日に限って詰めてくる。指摘の中身ではなく、突然詰めてくるタイミングそのものが怖かった。同僚は皆、目を合わせないようにそっと持ち場へ戻っていきます。
もう我慢の限界だと、本部に提出した異動願には、詳しい事情は書きませんでした。
「環境的に厳しい」とだけ。
別店舗への移動は認められましたが、上司への注意があった気配はありません。
私が抜けたあとの店舗にも、同じやり方で誰かが教育されているのかもしれない。それを思うと胸の奥が重くなります。
新しい場所で働けている安心の裏で、納得のいかない区切り方だったなと、いまも時々思い返します。私が逃げたのか、私が逃げるしかなかったのか。答えの出ないまま、別の店舗で日々の仕事を続けています。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














