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高市首相が掲げた財政目標の転換は、膨大な国の借金をインフレによって事実上踏み倒す準備ではないかとの懸念
日本の財政が抱える闇は、私たちが想像する以上に深いのかもしれません。モルガン銀行の元日本代表である藤巻健史氏は、現在の日本の財政状況を算数レベルで紐解き、驚くべき結論を導き出しています。そもそも、所得税を納めている国民は人口の半分にも満たないという現実があるのです。その上、納税者の約8割が税率10%以下という状況では、富裕層に少しばかり重い税を課したところで、焼け石に水。溜飲を下げる効果はあっても、国家の膨大な赤字を埋める力はありません。
増税が政治的に困難を極める中、残された唯一の道として浮上するのがインフレ税です。これは、物価が上昇してお金の価値が下がることで、政府の借金負担を実質的に軽くする仕組みを指します。聞こえはいいかもしれませんが、その実態は恐ろしいものです。国民が一生懸命に働いて銀行に預けたお金の価値が、インフレによってみるみる目減りしていくのですから。タクシーの初乗り料金が100万円になるような世界を想像してみてください。かつての1000万円という貯金は、たった10回の乗車で消えてなくなります。これが、債務者である政府が万々歳を叫ぶ一方で、債権者である国民が地獄を見るインフレ税の正体です。
SNSでは、このショッキングな予測に対して、怒りと不安が入り混じった声が渦巻いています。
『税金を払いたくないのではなく、払っても無駄な使われ方をするから払いたくない。出口の検証をしっかりしてほしい』
『インフレになれば年金も目減りする。政治家はコントロールできるはずなのに、物価高を上回る増額はしてくれない』
『所得税より住民税が高いのが問題。地方自治体の無駄遣いも目立つし、税体制そのものを見直すべきだ』
高市首相が財政健全化目標をプライマリーバランスの黒字化から、対GDP比の低減へと切り替えたことは、このインフレ戦略への第一歩だという見方もあります。物価が上がれば名目上のGDPは膨らみます。分子である借金が変わらなくても、分母が大きくなれば比率は下がります。しかし、それは単なる数字の帳尻合わせに過ぎません。国民の生活が置き去りにされたまま、預貯金という名の資産が国に吸い上げられていく未来。
私たちは今、自らの財産を守るために、資産形成のあり方を根本から見直さなければならない分岐点に立たされています。














