本記事はフィクションです。物語の登場人物、団体、名称、および事件はすべて架空のものであり、実在のものとは一切関係ありません。
善意を押し付ける義母
私は結婚五年目です。
夫は、十年来のゲーム関連の限定コレクションを集めることが趣味です。
リビングの一角にある棚は、彼にとっての聖域であり、何十万もする貴重な品々が並んでいました。
義母は、頻繁に私たちの家に顔を出したがる、善意の押しつけが強いタイプです。
片付け好きで、「ごちゃごちゃ」しているものを許せない人でした。
ある週末、私たち夫婦は旅行に出かけていました。
そんな中、旅行先で義母からあるメッセージが届きました。
「お邪魔して、リビングの模様替えしといたわよ！ スッキリしたでしょう？」という内容。
義母は、緊急時用に渡してあった合鍵を使い、私たちが旅行している間に勝手に家に入ったのです。
激昂した夫のひとこと
帰宅後、リビングのドアを開けて、私は思わず凍りつきました…
部屋は確かにスッキリしていましたが、驚いたのは、夫のコレクションがあった棚です。
棚は空っぽで、代わりに無機質な観葉植物が置かれていました。
私は慌てて義母に電話しました。
「お義母さん、夫のコレクション棚、どうしたんですか？」
「ああ、あれ？ ごちゃごちゃして埃をかぶってたから、全部処分したわよ。もういい大人なんだから、あんなおもちゃ、卒業しなきゃね！」
義母は悪びれる様子は一切ありませんでした。
私はその場で頭が真っ白になりました。
しばらくして、夫が帰宅しました。
彼は部屋の異変に気づき、すぐにコレクション棚の前で立ち止まりました。
「これ、どういうことだ？」
私は、義母が勝手にコレクションを捨てたことを震える声で伝えました。
夫は義母に電話をかけ、普段の穏やかな彼からは想像もできないほど、激しい怒声をあげました。
「ふざけるな！ あれは俺の、何十万もした限定品だぞ！ 勝手に人のものを捨てる権利がどこにあるんだ！」
夫は「勝手に鍵を使って家に入ること自体、プライバシーの侵害だ」とまで言い放ちました。
最終的に夫は、涙ながらに謝罪する義母に対し、「もう二度と俺たちの家に立ち入らないでくれ。今日限り、出入り禁止だ」
善意であっても、他人の領域を侵害し、大切なものを奪う行為は許されないと、心底感じた出来事でした。
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