「疲れてるって聞いたけど、大丈夫?」勝手に広がっていた私の近況。だが、ママ友の言葉に心が救われた
知らないところで広がっていた話
私は春から仕事に復帰した。子どもの登校班には、いつも笑顔で話しかけてくるママがいて、気さくで話しやすい人だと思っていた。
仕事に復帰したことを話したとき、そのママは笑いながら言った。
「そっか。子ども、寂しがらない?」
登校班の当番に少し遅れた朝には、私のそばへ来て小声で言われた。
「やっぱり働いてると、余裕なくなるよね」
少し引っかかったものの、私は「まあ、朝はバタバタするけどね」と笑って、その場では流していた。
ところがある日の夕方、スーパーで同じ班のママから突然声をかけられた。
「大丈夫?無理しないでね」
何のことか分からず、私は足を止めた。
「え?どうしたの?」
すると、そのママは少し戸惑いながら教えてくれた。
「最近疲れてるみたいって聞いたから。仕事と家のことで大変なんだって」
そこで初めて、あのママがほかの人たちに私のことを「最近疲れてるみたいよ」「仕事と家事でいっぱいいっぱいなんだって」と話していたことを知った。
私はそんな話をした覚えがない。
心配してくれたことにはお礼を言ったものの、帰り道もずっと気になっていた。私が知らないところで、いったいどこまで話が広がっているのだろう。
次に誰かから同じようなことを言われたら、曖昧に笑わず、自分の口で違うと伝えようと思った。
「本人に聞いたほうがいいと思って」
それからある朝、集合場所で子どもたちの名札を確かめていると、同じ班の別のママが近づいてきた。
少し離れたところには、私について話していたママも立っていた。
「ねえ、ちょっと聞いていい?」
いつもより遠慮がちな声だった。
「疲れてるって聞いたんだけど…大丈夫?」
また同じ話だ、と一瞬身構えた。
ただ、そのママは続けた。
「人づてに聞いただけだから、本人に聞いたほうがいいと思って」
その言葉を聞いて、少し肩の力が抜けた。
「ううん、元気だよ。仕事と家事で大変だっていう話も、私はしてないんだ」
「そうだったんだ。ごめんね、変な聞き方して」
「ううん。直接聞いてくれてよかった」
すると、そばにいた別のママも会話が聞こえたようで、「私もそう聞いてた」と驚いた顔をした。
「やっぱり、こういうのは本人に聞かないと分からないね」
私について話していたママは、少し離れたところで子どもの帽子をかぶせ直していた。私はあえて何も言わなかった。
曖昧に笑わず、自分の言葉で返すようになった
その晩、夫に朝の出来事を話した。
「知らないところで話が広がってたみたい。でも今日、直接聞いてくれた人がいたんだ」
夫は子どもの連絡帳にはんこを押しながら、「それなら、ちゃんと違うって伝えられたんだね」と言った。
「うん。聞いてもらえて、むしろ助かった」
それまでは、少し嫌なことを言われても笑って流していた。
でも、それでは相手に違う意味で受け取られることもあるのだと気づいた。
それからは、同じ班のママから何か聞かれたときも、曖昧に合わせず、自分のことは自分の言葉で答えるようにしている。
あの噂が完全に消えたのかは分からない。それでも、少なくとも私の前で「疲れているらしい」と決めつけられることはなくなった。
今朝も集合場所で、あの日直接聞いてくれたママと顔を合わせた。
「おはよう。今日も仕事?」
「うん。行ってきます」
そんな何気ないやり取りができることに、私は少しほっとしている。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














