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2026.10.12(Mon)

「お会いするのは今日が初めてだと思います」取引先の課長に再会の挨拶をした私。隣の先輩が笑いをこらえていた理由

「お会いするのは今日が初めてだと思います」取引先の課長に再会の挨拶をした私。隣の先輩が笑いをこらえていた理由

「一度会った人は忘れません」と自信満々だった私

取引先との打ち合わせがあった日のことです。

昼すぎ、私は上司と先輩と3人で、会社の会議室に資料を並べていました。

「今日の先方、私は初めて会う方ばかりなの。前に会ったことがある人がいたら、教えてね」

先輩にそう言われた私は、自信満々に答えました。

「任せてください!私、一度会った人の顔は忘れませんから」

実際、私は昔から人の顔を覚えるのが得意でした。

部署でも取引先の顔ぶれについて聞かれることが多く、自分でもちょっとした特技だと思っていたのです。

やがて取引先の3人が到着しました。

名刺交換を済ませて席に着くと、私の正面には40代くらいの女性が座りました。肩書きは課長です。

その顔を見たとき、私はふと思いました。

(あれ?この人、どこかで会った気がする…)

頭に浮かんだのは、以前参加した展示会の記憶でした。

私はすっかり知り合いのつもりになり、女性に声をかけました。

「あの、以前、展示会でお話ししましたよね?」

女性は少し驚いたように首をかしげました。

「えっ、展示会ですか?」

私は、相手がまだ思い出せていないのだと思いました。

そして、笑顔でもう一言。

「お久しぶりです、去年の3月以来ですね!」

相手の困った笑顔で気づいた、とんでもない勘違い

すると女性は、困ったような笑顔を浮かべました。

「あの…すみません。お会いするのは、今日が初めてだと思うんですが…」

「えっ?」

その言葉を聞いて、私は慌てて記憶をたどり直しました。

展示会で誰かと話したのは2年前。去年の3月にも別の取引先の人と会っています。

けれど、どちらも目の前の女性ではありません。

私は「見覚えがある」という曖昧な感覚だけで、別々の人との記憶を勝手につなぎ合わせていたのです。

(うそ…この人とは本当に初対面じゃない!)

一気に顔が熱くなりました。

「あっ、すみません!完全に私の勘違いです。本当に失礼しました…!」

慌てて頭を下げる私。

隣を見ると、先輩は資料で口元を隠していました。笑いをこらえているのが分かります。

上司は何も言わず、いつもどおり資料を開きました。

「では、始めましょうか」

こうして打ち合わせが始まりましたが、私は恥ずかしくて仕方がありませんでした。

数字を読み上げる声は少し上ずり、資料をめくる手もぎこちなくなります。

それでも、なんとか30分間の会議を終えました。

全員が立ち上がったとき、正面に座っていた課長が机の端を回り、私のところへ来ました。

「これで次に会うときは、本当に『お久しぶりです』って言えますね」

課長はそう言って、にっこり笑いました。

「は、はい!今度こそ絶対に間違えません!」

私がもう一度頭を下げると、後ろにいた先輩まで笑いをこらえきれなくなったようでした。

それ以来、以前会った気がする相手にも、記憶だけを頼りに決めつけた挨拶はしないようにしています。

あの課長とはその後も打ち合わせで顔を合わせていますが、今では向こうから先に「お久しぶりです」と笑顔で声をかけてくれます。

そのたびに、あの日の恥ずかしさを思い出してしまう私です。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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