「別に残しても料金は同じだろ」朝食バイキングで料理を取りすぎた父親。だが、スタッフが告げたに態度が一変
何度も料理を取りに行く隣の父親
夏休みの家族旅行で泊まったホテルの朝食は、1人3000円のバイキングでした。
窓ぎわの私たちの席の隣には、40代くらいの父親と母親、小学生の子ども2人の家族連れが座っていました。
料理を取りに行くと、その父親が私の前にいました。
大皿にはスクランブルエッグやベーコンが山のように盛られ、さらにクロワッサンを取っています。
「1人3000円も払ってるんだ。元は取らないとな」
父親はそう言いながら次々と料理を取り、私は少し後ろで待っていました。
席に戻ってからも、父親は果物やケーキを取りに何度も往復します。気づけば、隣のテーブルには父親が運んできた山盛りの皿が4枚並んでいました。
ところが、父親はどれも少しずつ口にしただけで、やがて椅子にもたれました。
下の子が父親の袖を引きます。
「お父さん、もう食べられないの?」
「もういいよ。いっぱい取ったんだから、それで得しただろ」
父親は笑っていましたが、皿にはかなりの料理が残っています。
近くの席からも視線が向き、私も少し気になっていました。
スタッフが示したテーブルの立て札
そこへ、制服を着た40代くらいの女性スタッフが回ってきました。父親のテーブルの横で足を止め、残った皿を見ます。
「こちら、お食事はもうお済みでしょうか」
「いや、まだ置いといて。デザートは別腹だから」
そう答えたものの、父親は皿に手を伸ばしません。
スタッフがもう一度確認すると、父親は少しいら立ったように手を振りました。
「別に残しても料金は同じだろ」
するとスタッフは、テーブルの端に置かれていた小さな立て札を示しました。
「恐れ入ります。こちらにもありますが、『取りすぎによる食べ残しにつきましては、追加料金をちょうだいしております』とご案内しています」
父親は立て札を見て、黙りました。
「このまま残される場合は追加料金がかかります。まだお召し上がりになるのでしたら、追加料金はかかりません」
父親はケーキにフォークを入れかけましたが、すぐに手を止めました。
すると上の子が、残った皿を見ながらぽつりと言いました。
「元、取れなかったね」
後ろのテーブルから小さく笑う声が聞こえ、父親の顔が赤くなりました。しばらく黙ったあと、スタッフにうなずきます。
母親は子どもたちの手を取り、先に会場を出ていきました。
さっきまで得意げに料理を運んでいた父親は、4枚の皿を前に、ひとりで冷めたコーヒーをすすっていました。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














