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2026.10.20(Tue)

「ちょっと電話。出てくるわ」親戚との食事会で毎回席を外す義兄。だが、戻ってきた彼が自分の席で見たもの

「ちょっと電話。出てくるわ」親戚との食事会で毎回席を外す義兄。だが、戻ってきた彼が自分の席で見たもの

注文のときに義父が頼んだこと

夫の親戚が、夜の和食店の座敷に集まったときのことです。

みんなでメニューを広げ、何を注文しようかと話していると、義父が店員を呼びました。

「すみません。今日は家ごとに伝票を分けてもらえますか」

「はい、承知しました」

隣にいた夫が、私のほうをちらりと見ました。私も義父の言葉を聞いて、あることを思い出していました。

実は、夫の兄である義兄には、以前から食事会のたびに繰り返している行動があったのです。

それは、会計が近づくと決まって電話を理由に席を外すことでした。

「あ、悪い。電話だ。先にやっといて」

そう言って携帯電話を耳に当て、座敷から出ていきます。

そして、ほかの大人たちが支払いを済ませたころに、何事もなかったように戻ってくるのです。

お礼を言うこともなく、靴をはきながら次の集まりの話を始める義兄に、私は何度もモヤモヤしていました。

ほかの親戚も気づいているようでしたが、誰もそのことを口にはしません。

今回も、義兄はメニューを広げながら言いました。

「どうせみんなで払うんだから、いいの頼もうぜ」

そう言って値段の高い料理を次々に指さす義兄。義父は何も言わず、その様子を見ていました。

義兄の席にだけ残っていた伝票

食事が終わりに近づいたころ、店員が家ごとに分けた伝票を、それぞれの席に置いていきました。

義兄も一度は手元の伝票に目を向けましたが、すぐに携帯電話を持って立ち上がりました。

「あ、ちょっと電話。出てくるわ」

まただ、と私は思いました。

義兄が座敷を出ていくと、私たちは自分たちの家の伝票を持ち、順番に会計を済ませました。

支払いを終えて座敷に戻ると、親戚たちは上着をはおり、帰りじたくを始めていました。

義父だけが、湯のみを手に静かに座っています。

そこへ義兄が戻ってきました。

「お、終わった?ごちそうさ……」

いつもの調子で話しかけた義兄でしたが、自分の席を見るなり、言葉が止まりました。

ほかの家の伝票はすでになくなっているのに、義兄の席には、義兄の家の分だけが残っていたのです。

義兄はしばらく伝票を見つめ、それから義父に顔を向けました。

「……親父、これ、まだ払ってないの?」

「ああ。それはお前の家の分だよ」

義父は声を荒らげることもなく、いつもどおりの口調で答えました。

帰りじたくをしていた親戚たちも、思わず手を止めています。

義兄は何か言いかけましたが、結局そのまま口を閉じました。

そして、伝票を手に取り、うつむいたまま会計へ向かっていったのです。

私は夫と顔を見合わせました。夫も小さくうなずいていました。

義父は最後まで、義兄を責めるようなことは言いませんでした。ただ、それぞれが自分の家の分を払うようにしただけです。

それ以来、親戚の食事会で義兄が電話を理由に席を外すことはなくなりました。


※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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