「私、何かまずかったですかね」レジで何度も聞き返され落ち込んだ私。だが、先輩に教えてもらった事実
答えたはずなのに、もう一度聞かれた
大学三年の秋から、私は薬局のレジに入っていました。まだ始めて二か月ほど。かごを受け取ってから会計を終えるまで、頭の中で手順を確認しながら接客していた時期です。
ある日、一人の方がレジに来られました。かごの中の商品を一通り打ち終え、私は会計金額を伝えました。
すると、その方が尋ねました。
「ポイント、いくら溜まってる?」
私は画面をそちらへ向けました。
「はい、こちらに出ています」
すると今度は、
「じゃあ、会計はいくら?」
と聞かれました。
私は先ほど伝えた金額を、もう一度読み上げました。ところが、その直後です。
「ポイントいくら溜まってるんだって聞いてんだよ」
少し強い口調で言われ、私は一瞬言葉に詰まりました。
さっき画面を見せたつもりだったけれど、数字まで口にしたほうがよかったのか。それとも、最初の声が聞こえていなかったのか。
まだ新人だった私は、何かあるとまず自分の対応を疑っていました。そのときも「私がうまく伝えられなかったんだ」と思い、そのまま会計を済ませました。
休憩室で先輩から聞いた一言
上がる前、休憩室で先輩にその出来事を話しました。
「今日、同じことを何度か聞かれて……。私、何かまずかったですかね」
私の話を聞いた先輩は、途中で「あ、その人ね」とうなずきました。
「その方、週に3日くらい来る常連さんだよ」
「そうなんですか?」
「似たようなやり取り、みんな一度はあるよ」
その言葉を聞いて、ようやく肩の力が抜けました。
もちろん、私の伝え方をもっと分かりやすくできた部分はあったかもしれません。ただ、あのやり取りのすべてを「新人の自分が失敗したからだ」と抱え込む必要もなかったのだと思いました。
「……先に知ってたら、もう少し落ち着いて対応できたかもしれません」
そう言うと、先輩も苦笑していました。
それから私は、新しく入った子が戸惑っているのを見かけると、自分のときのことを思い出すようになりました。
「分からないことがあったら聞いてね。自分だけが悪かったって決めつけなくていいから」
新人だったころの私は、何か起こるたびに自分の声や対応ばかり振り返っていました。だからこそ、たった一言でも「自分だけじゃなかった」と分かることが、思っていた以上に心強かったのです。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた20代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














