「ケースも付けずに貸すほうが悪い」壊れた代わりの携帯を返した男性。だが、修理代を拒む男性に店長が見せた一枚
通路まで響いた怒鳴り声
修理を預かるお客さまには、代わりの携帯電話を貸し出していた。
ショッピングモールの中にある小さな店で、貸し出す際には注意事項を説明し、同意書にサインをもらう決まりだった。
その男性にも、僕が同じように説明した。落としたり水に濡らしたりして故障した場合は、修理代がかかる。男性は少し面倒そうな様子だったものの、説明を聞いてサインをした。
数日後、男性が店に戻ってきた。
カウンターに置かれた代わりの携帯電話は画面がひび割れ、電源も入らない状態だった。
「こちら、修理代がかかる状態になります」
僕が伝えると、男性の表情が変わった。
「ケースも付けずに貸したんだろ。そっちにも責任があるんじゃないのか」
さらに男性は、自分の携帯電話をカウンターに置いた。
「こっちだって買ったばかりなのに調子が悪いんだ。買ったばかりで壊れる携帯を売るなよ」
「そちらは別の店舗で購入されたものと伺っています」
「そんなの関係ないだろ。買ったばかりで壊れる携帯を売るなって言ってるんだ」
同じ言葉を2度繰り返す男性の声は、ショッピングモールの通路まで響いた。向かいのテナントの店員まで、何事かと入口からこちらを見ていた。
店長がカウンターに置いた同意書
僕は貸し出した日にサインをもらった同意書を取り出し、説明済みであることを伝えた。しかし、男性は納得しない。
そこへ、奥で電話を終えた店長が出てきた。
店長は僕から同意書を受け取ると、男性から読める向きにしてカウンターへ置いた。
「お客さま、こちらをご確認いただけますか」
店長が示したのは、貸し出し時の注意事項と男性自身のサインだった。
「こちらの内容に沿って、ご案内させていただきます」
「でも、こんなの…」
「ご不満があることは分かります。ただ、貸し出しの際にこちらをご説明して、サインもいただいています」
男性は何か言おうとしたものの、同意書を見たまま黙り込んだ。
しばらくして財布を取り出し、修理代を支払う手続きを済ませると、控えを持って店を出ていった。
男性が帰ったあと、店長は対応記録を広げた。そこには、男性が「買ったばかりで壊れる携帯を売るな」と2度大声で訴えたことと、最後には修理代を支払ったことが記された。
「こういうときほど、何があったかそのまま残しておけばいいから」
店長はそう言って同意書と記録を重ねた。僕はその束を棚に戻し、ようやく静かになったカウンターを拭いた。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた40代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














