出典:写真AC
巨額の予算を投じた普及策の裏で進む自主返納、SNSで交わされる複雑な感情と実務のギャップ
鳴り物入りで導入され、ポイント付与などで一気に保有者が増えたマイナンバーカードですが、ここへ来て少し毛色の違う動きが見えてきました。会計検査院が公表した最新の調査によると、2025年7月末までの時点で、本人の希望などを理由に廃止されたカードが約93万枚に上ることが分かったのです。
利便性を評価する声がある一方で、やはり個人情報の管理に対する警戒感や、過去に起きたひも付けトラブルへの不信感が影を落としている印象は拭えません。利活用を急ぎたい国の方針と、現場の受け止め方には温度差があるようです。
ネットの反応を覗いてみると、実際に恩恵を感じている人の意見もしっかりと存在します。
『診察券を渡して、受付は診察予定の確認などして、自分はその間に機械で読み込ませて、2つか3つの同意を押せば終了。昔の保険証渡して変更はないか等の確認してもらって、診察後に受け取るって手間は無くなって良い』
窓口でのやり取りが目に見えてスムーズになったことや、高額な医療費が発生した際の処理がその場で完結する快適さを評価する声は、確かに制度が機能している証拠でしょう。
その一方で、何でも一枚に集約することの怖さを口にする意見も根強く残ります。
『無くした時に、身分を証明するものが全部無くなり再発行が大変になるって何かで知りました。またカードの有効期限と電子署名の有効期限も違う上に、免許更新の期限まで同じカードとなると間違えそう』
万が一落とした時のダメージを想像すると、身の毛もよだつ思いがする。更新の手続きがカード本体と電子証明書でバラバラなのも、うっかり忘れてしまいそうでハードルが高く感じられます。
さらに、医療や行政の最前線で働く人々からの、少し困惑したような生々しい吐露も印象的です。
『高齢の手元不如意な方々に震える手でカードリーダーに通していただき、間違ってスマーフォンを選択されないように、お顔が適正な距離で判別できるように、無くしたり落としたりしないように最後まで操作を見守っています』
こうした現場の奮闘を耳にすると、効率化のためのデジタル化が、かえって周囲の負担を増やしているのではないかと考えさせられます。
また、口座をひも付けたはずなのに自治体の窓口で相変わらず書類への記入を求められた、というなんとも皮肉な体験談もありました。














