「これ、全部終わったんですか?」雑用だらけの仕事を黙々とこなした私→上司が思わず目を見開いた瞬間の達成感
上司が自分だけに振った仕事
直属の課長から業務リストを受け取ったとき、正直なところ驚いた。
データ転記、書類整理、取引先への確認連絡、発注資料のコピーと仕分け。
どれも一人でこなすには地味で手間のかかるものばかりだった。
後輩に振り分けてもらえるものだと思っていたが、リストは私一人に向いていた。
課長は上の役職者がいると必ず「チームで進捗しっかり管理しています」と胸を張っていた。
でも席に戻れば業務の合間に長い雑談が始まり、会議でもない時間帯に席を空けることが続いた。
誰がそのリストを進めているかは、上の人には見えていなかったようだった。
誰も見ていない時間を積み上げた
朝、自分のメイン業務を済ませてからリストを開く。昼休みに確認連絡を入れ、夕方には書類仕分けを終わらせる。
その繰り返しだった。
課長が上司と楽しそうに話しているのを横目に見ながら、黙々と手を動かした。
腹が立つ気持ちもあった。
でも仕事は仕事だった。誰かが片付けなければ後工程で困る内容ばかりだったから、投げ出す選択肢は最初からなかった。
ある日の昼下がり、課長が隣の部署の人と長々と雑談しているそばで、私は取引先への確認電話を終わらせ、データの最終確認を終えた。
残りはコピーと仕分けだけ。静かな達成感が胸に広がっていた。
数日後、リストのすべての項目が片付いた。
データは整い、書類は揃い、取引先からの返信も確認済み。自分でも思っていたより早く終わった。
目を見開いた瞬間の達成感
課長のデスクに近づいて書類を差し出した。
「これ、全部終わったんですか?」
課長は一瞬だけ目を見開いた。
受け取った書類をぱらぱらとめくり、「あ、ありがとう」とだけ言った。その後は何もなかった。
称賛もなく、特別な言葉もなかった。
それでも、胸の奥に静かな火がともった感覚があった。
誰も見ていない時間に積み上げたものが、確かな形になった。
自分だけが知っている達成感だった。
職場では評価されない仕事が山ほどある。
表に出ない作業を誰かが支えているから、全体が回っている。
そのことを自分でちゃんと分かっていれば、それで十分なのかもしれない。あの瞬間のことを思い返すと、今でも小さく背筋が伸びる気がするのでした。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














