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2026.05.15(Fri)

「またあなたが好きそうなの見つけたの」優しい義母の善意の山→こっそり手放したことを誰にも言えない

「またあなたが好きそうなの見つけたの」優しい義母の善意の山→こっそり手放したことを誰にも言えない

紙袋いっぱいに届く、ちょっとずれた善意

義母は、男の子ばかり3人を育て上げた人です。

私が嫁いできたとき、「やっと女の子が来てくれた」と涙ぐんでいたのを、今でもはっきり覚えています。

その距離感は、結婚から数年経っても変わりません。

月に一、二度は遊びに伺うのですが、玄関を開けるなり、義母は決まって紙袋を抱えて出てきます。

「またあなたが好きそうなの見つけたの」

差し出される袋の中身は、いつも丁寧に選ばれていました。

お取り寄せの和菓子、評判のジャム、近所のセレクトショップで見繕ったニット、柔らかいワンピース。

義母の中の「私」が、そこにいる。

けれどその「私」は、本物の私からほんの少しだけずれているのです。

甘い和菓子より、しょっぱいおせんべいが好き。

落ち着いた色より白や生成りに袖を通したい。袋の中身を手に取って、私はいつも同じ顔を作ります。

「うれしいです、ありがとうございます」

義母が私のことを思って足を運んで選んでくれた、その時間には心からのお礼以外、出てきようがないんです。

家に帰って夫と二人になったとき、紙袋をテーブルに置いたまま、ふっと黙る瞬間がありました。

(これ、どうやって着回そうかな)

夫は察して、何も言いません。

妊娠中の整理で、業者の段ボールに詰めた日

そんな善意の山が、結婚から数年でクローゼットの一段を占領していきました。

タグの付いたままの洋服、開封せずに賞味期限が近づいたお菓子、用途のはっきりしないキッチン雑貨。

そんな中、今年、私のおなかに赤ちゃんが宿りました。

安定期に入ってから、夫と「赤ちゃん部屋を作ろうか」と話して、家じゅうの断捨離を始めたんです。

妊娠中だからこそ、軽い動作だけで進められる範囲でと決めて。

クローゼットの前に座り込んで、眠っていた服を一枚ずつ袋から取り出します。

(ごめんなさい、お義母さん)

声には出さず、何度も心の中で頭を下げました。

状態のいいものは買取の段ボールへ。家にあっても誰にも袖を通されないより、必要としている誰かに届くほうがきっといい。

数日後、振り込まれた査定額を見て、私は少しだけ笑ってしまいました。

思っていたより、ずっと真っ当な金額だったからです。それを、自分のお小遣いの口座にこっそり移します。

夫にも詳しい行き先は告げていません。

義母にも、もちろん言うつもりはありません。

もらった善意を、別の形に変えてしまった、後ろめたさ。

それでも、もらった気持ちは確かに私の中に残っているという、不思議な手触り。

たぶんこれからも、紙袋は届き続けます。私はまた、「ありがとうございます」と笑顔で受け取って、こっそり整理する日々を続けるのでしょう。

※tendが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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