「邪魔!わかんないなら奥さんに任せなさいよ」ドラッグストアで罵声を浴びせてきた客→返す言葉が見つからなかった理由
迷いながら洗剤棚を眺めていたら
「緑のパッケージのやつ」という妻からの一言だけを頼りに、私はドラッグストアの洗剤コーナーに立っていた。
平日夜の売り場は混んでいて、仕事帰りらしき人たちがカートを押しながら通路を行き来していた。
棚には見た目が似た商品が三種類ほど並んでいて、どれが正解かわからずスマホを取り出した。
写真を撮って妻に確認するしかない。隣には同じくらいの年齢の男性客がいて、彼もパッケージを裏返しながら迷っている様子だった。
ふたりで少し場所を取ってしまっていたのは確かだ。
しばらくしてスマホを構えたそのとき、背後から大きな声が飛んできた。
「邪魔!わかんないなら奥さんに任せなさいよ」
60代くらいの女性がカートを押しながら、苛立った表情でこちらを見ていた。反射的に振り返り、続けて放たれた言葉に私は完全に言葉を失った。
返す言葉が見つからなかった理由
「こういう売り場に突っ立ってたって何もわかんないんだから、最初から家のことは奥さんに頼みなさい!」
そう捲し立てると、女性はカートを押してそのまま通り抜けていった。隣にいた男性客と顔を見合わせて、互いに苦笑いするしかなかった。
通路を少し塞いでいたことは確かに申し訳なかった。
でも、あの言い方には「男が日用品の売り場でうろうろしていること自体がおかしい」という前提が含まれている気がした。
私が手ぶらで帰宅していたとしたら、「なぜ買ってこなかったの」という話になっていただろう。
自分で来ても「奥さんに任せなさい」と言われ、来なければ来なかったで困る。
どちらに転んでも詰められそうで、その場で言葉が出てこなかった。
そもそも、日用品の補充を夫婦で分担して何がおかしいのか、最後までわからなかった。
その後、スマホで妻に写真を送って確認し、正しい洗剤を手に入れてレジに向かった。何事もなかったかのように買い物は完了したが、頭の中からはあの言葉が消えなかった。
家に帰ってから妻にその話をすると、笑いながら「大変だったね」と言ってくれた。笑い話として終わればそれでいい、と思おうとした。
ただ、あのひと言は今もどこかに引っかかって離れない。理不尽だと感じながら何も言い返せなかったこと、そのことが後になってじわじわ胸に残ってくるのだから、モヤモヤとはやっかいなものだと改めて思う。
次に同じような場面に出くわしたとき、ちゃんと言葉が出てくるだろうか。それもまた、正直わからない。
※tendが独自に実施したアンケートで集めた、40代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














