「すごい偶然ですね」何度も外で会った職場の同僚。有給の日にも姿を見つけ、夫に打ち明けた夜
残業帰りの洗剤の棚
仕事が立て込んでいた時期のことです。残業を終えて職場を出ると、外はすっかり暗くなっていました。
私は帰り道のドラッグストアに寄り、子どもの歯ブラシと洗剤を買って帰ることにしました。
洗剤の棚の前で商品を見ていると、少し先に見覚えのある背中がありました。同じ部署の同僚です。
向こうも私に気づき、少し驚いた顔をしました。
「あ、お疲れさまです。こんなところで会うんですね」
「お疲れさま。びっくりした。私も帰りにちょっと寄っただけ」
その日は、それだけでした。
ところが、その週にもう一度残業をした夜、同じドラッグストアで買い物を済ませてレジに並んでいると、後ろから声をかけられました。
「あれ、また会いましたね」
振り向くと、先日の同僚です。
「本当だ。ここで会うの、これで2回目だよね」
「そうですね。すごい偶然ですね」
二人で笑いましたが、そのとき私はふと、少し前のことを思い出しました。
定時で帰った日にスーパーで会ったことがあります。週末、子どもを歯医者へ連れていく途中でも、ばったり顔を合わせました。
そのときも同僚は、ごく普通の様子でした。
「こんにちは。今日はお子さんと一緒なんですね」
「こんにちは。これから歯医者なんです」
「そうなんですね。じゃあ、また会社で」
子どもの手を握りながら、私も「また」と返しました。
一つひとつなら、どれも珍しいことではありません。それでも、短い間に何度も続くと、少し気になるようになりました。
休みまで重なっていた
そんなある日、有給を取って平日に買い物へ出たときのことです。
店内を歩いていると、また同僚の姿が目に入りました。
思わず足が止まりました。
向こうも私を見つけ、目を丸くします。
「えっ、また会った」
「本当ですね……今日はお休みなんですか?」
「うん、有給。そっちも?」
「私もです」
「こんなに会うことあるんだね」
同僚は笑っていました。私も笑って返しましたが、それまでとは少し違う気持ちになっていました。
その後、ふと振り返ってみると、私が有給を取った日に同僚も休んでいたことが何度かありました。
もちろん、同じ日に休むこと自体は不思議ではありません。
それでも、外で何度も会ったことまで思い出すと、どうしても気になってしまいました。
その夜、夫に話してみました。
「ねえ、ちょっと気になってることがあるんだけど」
「どうしたの?」
「会社の人と、外でやたら会うんだよね。ドラッグストアでも2回会って、この前なんて有給の日にも会ったの」
夫は少し考えてから聞きました。
「その人に、何か嫌なことをされた?」
「ううん。何もない。会ったら普通に話すだけ」
「そっか……。じゃあ偶然かもしれないけど、気になるのは分かるよ。何か変だと思うことがあったら、また話して」
「うん。たぶん私が気にしすぎてるだけかもしれないんだけどね」
本当に、何かをされたわけではありません。
同僚は職場でも普通に接してきますし、私に付きまとっていると断定できるような出来事もありません。
今も同じ部署で働いています。
ただ、有給を取る日が決まると、ときどきあの何度もの偶然を思い出します。
本当にただの偶然だったのか。それとも、たまたまではなかったのか。
答えは今も分かりません。
※本記事は、tendが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。














